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保守派から即座に包囲網が敷かれた、トランプの出馬宣言
保守系のFOXニュースが、トランプの出馬宣言の翌朝に、そのペンス氏を呼んでトランプの立候補を批判させるというのは、もちろんFOXの編成方針に過ぎません。ですが、こうした姿勢には、ある程度は現時点での保守系の視聴者の支持があると考えることができます。
議会の方も動きが急となっています。まず、共和党は中間選挙の結果を受けて来年1月に招集される「第118期連邦議会」へ向けて、多数党となる見込みの下院としては下院議長候補を、少数党となる上院では少数党院内総務の、それぞれ選出を行いました。
具体的には、下院議長候補としてはケビン・マッカーシー議員、上院院内総務としてはミッチ・マコネル議員が選出され、いずれも各院の議員団のリーダーは続投という順当な選択となっています。ですが、特にマコネル議員に関しては、トランプが「中間選挙敗北の責任を取って交代すべき」と強く迫っていたわけで、これを一蹴した形となっています。
自身への捜査を牽制か
最も注目されたのは、共和党内で大統領選出馬への待望論の高まっているフロリダ州のロン・デサンティス知事です。知事は、トランプ出馬が報じられる中で、2024年の大統領選について問われると「中間選挙も終わったばかりであり、今は冷静になるべき時」と述べ、その姿勢は好感をもって受け止められているようです。
そんなわけで、今回の出馬宣言は特にインパクトがなかったばかりか、共和党サイドから早速包囲された形となっています。それ以前の問題として、中間選挙の選挙運動中に「11月15日に大きなアナウンスメントをする」と宣言してしまったことから、今回の発表がサプライズでもなくなったという事実があります。
では、どうしてこんな時期に「出馬宣言」をしたのかというと、一部には「正式な大統領候補となれば」FBIや国税(内国歳入庁=IRS)による捜査活動や起訴を「大統領選を歪める政治的行為」だとして牽制できるから、という解説があります。
さらに別の見方としては、共和党系のアナリストであるパリス・デナードによれば、「トランプは政治献金を集めるのに必死で、早期に出馬宣言したのは寄付をしてくれる資産家へのメッセージ」という見解もあります。こうしたコメントが、超保守系のサイトで、かつては「トランプ御用メディア」であった「ブライトバイト」が紹介しているあたりに、アメリカの保守世論の現在の一面が見られるように思います。
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