コラム

アメリカの新型コロナ死亡者数を急増させた「在宅死」の背景

2020年04月16日(木)16時30分

一方で、私の住むニュージャージー州は、全米の中でニューヨークに次いで深刻な感染拡大が続いている州です。人口約900万の州で、感染者は累計7万1000人強に上り、死亡者は3156人となっています。このニュージャージー州では、特に長期入所型の老人福祉施設への感染拡大が問題になっています。

州内に365カ所ある長期入所型施設の中で、その98%にあたる358カ所で陽性患者を出しており、陽性患者は合計で6815人に達しています。最も感染させてはいけない弱い部分が守れなかったことで、非常に厳しい状況となっています。現場では、感染防止のノウハウ不足が指摘される一方で、PPE(個々人を防御する用品、マスク、手袋、防護服)が圧倒的に不足しているそうです。

感染拡大のトレンドについて言えば、トランプ大統領は15日には「感染はピークを超えた」として最悪期を脱しつつある、従って経済活動の再開論議をしたいという感触を口にしています。ですが、ニュージャージー州の場合は、これからが最悪期であり恐らくピークは4月25日前後となるもようだと、マーフィー知事はそのような見通しを述べています。

プロフィール

冷泉彰彦

(れいぜい あきひこ)ニュージャージー州在住。作家・ジャーナリスト。プリンストン日本語学校高等部主任。1959年東京生まれ。東京大学文学部卒業。コロンビア大学大学院修士(日本語教授法)。福武書店(現ベネッセコーポレーション)勤務を経て93年に渡米。

最新刊『自動運転「戦場」ルポ ウーバー、グーグル、日本勢――クルマの近未来』(朝日新書)が7月13日に発売。近著に『アイビーリーグの入り方 アメリカ大学入試の知られざる実態と名門大学の合格基準』(CCCメディアハウス)など。メールマガジンJMM(村上龍編集長)で「FROM911、USAレポート」(www.jmm.co.jp/)を連載中。週刊メルマガ(有料)「冷泉彰彦のプリンストン通信」配信中。

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