- HOME
- コラム
- プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
- 米中間選挙前に飛び出した、最高裁判事候補キャバノー…
米中間選挙前に飛び出した、最高裁判事候補キャバノーの性的スキャンダル
これに対して、民主党の側には危機感がありました。このような保守系の判事が誕生して憲法判断の判例、例えば「中絶合法化」や「同性婚合憲判断」などをひっくり返されては大変だという思いです。また、上院における承認プロセスを通じて、キャバノー判事の承認をストップすることができれば、中間選挙へ向けた勢いがつく、そんな考えもあるようです。
そんな中、2つの疑惑が浮上しました。1つは、キャバノー判事が高校生時代に、もう1人の男性とともに当時15歳だった女性を押し倒してワイセツな行為をしようとしたというもので、これは民主党のファインスタイン上院議員のオフィスに告発があったことから明るみになりました。被害を訴えているのは、パロアルト大学の教授であるクリスティーン・フォードという女性です。
もう1つは、雑誌「ニューヨーカー」のスクープで、これはイエール大学時代のキャバノー判事が、下半身を露出して女性に嫌がらせをしたという生々しい内容です。判事自身は、この2つの疑惑について、全面否定の構えです。また、トランプ大統領は、フォード氏の告発状について「悪しきリベラル政治家の作文」と、これを一蹴するようなことを言っています。
キャバノー判事の過去の判決文などを見ますと、保守的であるものの、憲法判断をひっくり返すほどの過激な偏向は見られません。また、最高裁の場合、実際に歴史の歯車を逆転させるような深刻な判例変更が起きそうになった場合には、ロバーツ長官が「歴史の審判」を意識してストップをかける可能性もあると思います。
ですから、ここまで露骨な「30年以上前の過去の暴露」には、少々「やり過ぎ感」がないわけではありません。ですが、この2018年秋は、中間選挙を目前にした与野党の激しい政局が渦巻いています。
ですから、キャバノー判事の指名承認プロセスの結果は、中間選挙へ向けた民主・共和両党の勢いに影響してしまう、これはどうしても否定できない要素になっています。そして今週は、議会の公聴会で告発者のフォード氏とキャバノー判事が「直接対決」する見通しになっています。
【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>
円安と円高、日本経済に有利なのはどっち? 2025.12.17
サッカーをフットボールと呼ばせたいトランプの執念 2025.12.10
ベネズエラ船撃沈事件に揺れるペンタゴン 2025.12.03
意外にも「友好的」だったトランプ・マムダニ会談 2025.11.26
アメリカの雇用低迷と景気の関係が変化した可能性 2025.11.19
マムダニ新NY市長の左派政策、日本への影響は? 2025.11.12
NY市長に「社会主義」候補当選、マムダニ・ショックの行方は? 2025.11.05
-
生成AI商材/大手外資系「インサイドセールス「SV候補」」/その他コンサルティング系
ブリッジインターナショナル株式会社
- 東京都
- 年収340万円~450万円
- 正社員
-
外資系企業を支える「英文事務」土日祝休/年休120日/リモートOK
VISTRA Japan株式会社
- 東京都
- 月給27万5,000円~50万円
- 正社員
-
外資系証券会社の総務/丸の内でオフィスワーク/平日週5日勤務/年間休日120日
ワークスアイディ株式会社
- 東京都
- 月給25万円~30万円
- 正社員
-
外資系企業の「労務スタッフ」土日祝休/フレックス/リモートOK
VISTRA Japan株式会社
- 東京都
- 月給30万円~45万8,000円
- 正社員






