コラム

この週末にトランプ陣営が抱え込んだ5つのトラブル

2016年08月02日(火)17時10分

 五つ目の問題としては、トランプは、ここへ来て「大統領候補テレビ討論」への参加を渋り始めているという点です。ちなみに、現在「公式に決定されている日程」は以下の通りです。

(第1回)9月26日(月) ニューヨーク州のホフストラ大学にて
(第2回)10月9日(日) ミズーリ州ワシントン大学セントルイス校にて
(第3回)10月19日(水) ネバダ州のネバダ大学にて

 トランプの「文句」というのは、このうちの「第1回」と「第2回」がNFLつまりアメリカン・フットボールの公式戦と重なるので、NFLが抗議の書簡を寄越したというのですが、そのような書簡が出たという事実はないそうです。

【参考記事】オールスター勢ぞろいの民主党大会、それでも亀裂は埋まらない

 実はトランプには「前科」があります。というのは、今年の1月の共和党の予備選テレビ討論を「ボイコット」しています。ただ、さすがに9月、10月の「本選のテレビ討論」に出ないとなれば、ダメージは計り知れないので、共和党内でも「トランプの顔を立ててヒラリーの陰謀でこういう日程になったと文句を言おう」というような動きも出てきています(ギングリッチ元下院議長などのトランプ支持派)。

 ただ、このテレビ討論の日程というのは、1年以上も前に民主党と共和党の全国委員会が協議して決定しているわけで、どう見ても「無理なイチャモン」をつけているとしか言いようがありません。

 せっかく党内をまとめて「統一候補」として指名を受けたのに、わずか数日の間にこれだけのゴタゴタが出てくるというのも異常です。今週はとりあえずオリンピックが始まれば政治休戦になるでしょうが、閉幕後に体制をどう立て直すかが、トランプ陣営の最大の課題になるでしょう。

プロフィール

冷泉彰彦

(れいぜい あきひこ)ニュージャージー州在住。作家・ジャーナリスト。プリンストン日本語学校高等部主任。1959年東京生まれ。東京大学文学部卒業。コロンビア大学大学院修士(日本語教授法)。福武書店(現ベネッセコーポレーション)勤務を経て93年に渡米。

最新刊『自動運転「戦場」ルポ ウーバー、グーグル、日本勢――クルマの近未来』(朝日新書)が7月13日に発売。近著に『アイビーリーグの入り方 アメリカ大学入試の知られざる実態と名門大学の合格基準』(CCCメディアハウス)など。メールマガジンJMM(村上龍編集長)で「FROM911、USAレポート」(www.jmm.co.jp/)を連載中。週刊メルマガ(有料)「冷泉彰彦のプリンストン通信」配信中。

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