- HOME
- コラム
- プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
- オバマの歴史的キューバ訪問で、グアンタナモはどうな…
オバマの歴史的キューバ訪問で、グアンタナモはどうなる?
具体的には、「民間人に対する刑事裁判ではなく、軍事裁判を適用すること」「裁判所の逮捕状がなくても敵兵として拘禁し、しかも戦争でもないので、ジュネーブ条約による捕虜への権利も与えないこと」「拷問などの超法規的な取り調べを可能にすること」といった、まさに文字通りの「無法」を可能にする「特殊ゾーン」というわけです。
弁護士出身のオバマ大統領はそんなことは絶対に許すことはできません。ですから2008年の選挙戦では、この「グアンタナモ収容所」の閉鎖について、オバマは公約にハッキリと明記しています。ですが、共和党は激しく抵抗しており、この8年間に徐々に議会での勢力を拡大していることもあって、「グアンタナモ閉鎖」には絶対に反対の意向を変えていません。
その背景には、共和党の保守主義の中にある「憲法保守主義」というものがあります。まず、憲法の中の「基本的人権はアメリカが犠牲の上に勝ち取った」ものであるから、その「アメリカに敵対する人間には適用しない」という「人権概念の普遍性を認めない」という考え方がベースにあります。
これに、武装の権利の拡大解釈であるとか、州の自治権の拡大解釈など、自分たちの価値観に都合のいいところだけを抜き出して「自分こそ憲法の擁護者」という姿勢を見せるのが「憲法保守主義」というわけです。
今回の大統領予備選で言えば、特にテッド・クルーズ候補はその典型です。それはともかく、オバマとしてはどんなに閉鎖したくても、任期末までの間に、「グアンタナモ収容所」の閉鎖はできないでしょう。それは、この政権の政治的な限界とも言えます。
実は、このグアンタナモ湾に関しては、ラウル・カストロ首相は「返還要求」を意向として示しています。ですがオバマとしては、そもそも「閉鎖したい収容所を、共和党の反対で閉鎖できない」状態では、湾の全体を返還する交渉に乗っただけで、共和党から総スカンを食う可能性があるわけです。
その辺はラウル首相も心得ていて、今回も、返還要求はあったものの、「どこかの時点で」という言い方で、アメリカ側の事情に理解を示しています。ですが、この「グアンタナモ収容所」というのは、21世紀のアメリカの「闇」であることは間違いないのです。政治的合意で収容所を閉鎖した上で、いつかの時点で地域全体をキューバに返還することは、避けられない流れとなるでしょう。
アメリカのストーカー対策、日本との違いを考える 2025.09.03
「体験格差」という言葉に覚える強烈な違和感 2025.08.27
日本の核武装コストは、どのように計算すれば良いのか 2025.08.20
被爆80年の今、真剣に議論しなければならないこと 2025.08.06
戦後80年に必要な3つのメッセージを考える 2025.07.30
参院選が引き起こした3つの重たい事実 2025.07.23
さらに複雑化したニューヨーク市長選の対立構図 2025.07.16
-
経験1年必須/ITコンサル/SE/Sierからコンサルタントへ/外資系プロジェクト有/残業少
株式会社ノースサンド
- 東京都
- 年収500万円~1,600万円
- 正社員
-
外資系メーカー営業「正社員/土日祝休み/年間休日125日」グローバル環境で活躍
株式会社alBee
- 東京都
- 月給26万5,000円~30万円
- 正社員
-
外資系メーカー営業「正社員/土日祝休み/年間休日125日」グローバル環境で活躍
株式会社enrich technology
- 東京都
- 月給26万5,000円~30万円
- 正社員
-
外資系メーカー営業「正社員/土日祝休み/年間休日125日」グローバル環境で活躍
Visionary Japan株式会社
- 東京都
- 月給26万5,000円~30万円
- 正社員