プレスリリース

老人ホーム等の434社(上位200グループ)値上げ分析 平均値上げ額は管理費6,100円・食費4,900円 過去3年間に「値上げを行わなかった」企業は約4割

2025年10月20日(月)15時00分
株式会社TRデータテクノロジー(本社:東京都中央区、代表取締役:田中 幹雄、以下 当社)は、昨今の物価高騰を受け、老人ホーム等(※1)の管理費および食費の値上げの現状を調査・分析しました。
対象企業は全国の老人ホーム等のうち、当社が行った定員ランキング(※2)で上位200位までの企業あるいはグループに該当する434社(ホーム数7,309ヶ所)で、結果は下記のとおりです。
なお、当社は全国の介護施設及び居宅サービスを含む約24万件のデータを元に、高齢者介護に特化したデータベースやマーケティングツールを販売しています。

(※1) 介護付有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅(以下、介護付、住宅型、サ高住という)
(※2) 2025年7月時点の当社独自の集計


1. 2024~2025年の値上げ状況
【約4割の企業が管理費、食費のいずれかを値上げ】
図1は2024年8月~2025年7月までの間に管理費ならびに食費の値上げを行った企業の内訳である。
価格改定が見られなかった企業(変更なし)は約5割(205社)。管理費および食費のいずれか、あるいは両方の値上げを行った企業は約4割(165社)に及ぶ。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/551566/LL_img_551566_1.jpg
図1) 値上げ状況

(1) 管理費の値上げ
【94社が値上げ。値上げ額は平均6,100円】
図2は、管理費の値上げ額の内訳を示したグラフである。全体平均は6,100円で、値上げ額1,000~3,000円の層が約4割と最も多く、これに9,000円以上の層が約2割と続く。

画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/551566/LL_img_551566_2.jpg
図2) 管理費値上げ割合

(2) 食費の値上げ
【132社が値上げ。値上げ額は平均4,900円】
図3は、食費の値上げ額の内訳を示したグラフである。全体平均は4,900円で、値上げ額1,000~3,000円および3,000~5,000円の層がそれぞれ約3割を占める。

画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/551566/LL_img_551566_3.jpg
図3) 食費値上げ割合


2. 過去3年間の値上げ実績(値上げを行った企業/行わなかった企業)
図4は2022年以降の3年間の値上げ実績をまとめたグラフと、過去3年間に一度でも管理費あるいは食費の値上げを行った企業と、値上げを行わなかった企業の商品性を比較した図表である。

【過去3年間に値上げを行った企業は全体の6割、行わなかった企業は4割】
中央の縦棒グラフを見ると、過去3年間に値上げを行った企業は全体の約6割(256社)に達し、中でも管理費と食費の両方を値上げした企業が31%(136社)と最も多い。なお、値上げを行わなかった企業は約4割(178社。不明を含む)の結果となった。

【行わなかった企業のホームは月額費が安く、施設タイプは住宅型が多い】
左右の図表は値上げを行った企業と行わなかった企業のそれぞれの商品性を示している。
施設タイプでは、値上げを行わなかった企業の約半数が住宅型で占められており、値上げを行った企業と比べて2倍以上の差が生じている。一方で平均要介護度は値上げを行わなかった企業が高い結果となった。これは、近年急増している「ホスピス型住宅」を主に展開する企業の多くが、値上げを行っていないことが要因と思われる。
また、値上げを行わなかった企業は、行った企業と比べて定員数が少なく、管理費、食費がそれぞれ13,500円、7,500円安い結果となった。

画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/551566/LL_img_551566_4.jpg
図4) 過去3年の値上げ実績

■補足情報
【調査対象の施設タイプ】
全国の介護付有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅

【データ出典元】
福祉施設・高齢者住宅Data Base2025年度版(調査時点2025年2~7月で当社が入手できた情報に限る)およびバックデータ。出典元は介護サービス情報公表システム(厚労省)、サ高住情報提供システム、重要事項説明書(入手可能なホームに限る)。グループに属する企業は資本関係を元に当社独自に調査。

【図1、図2、図3(値上げを行った企業の定義)】
同一企業であってもホームによって値上げの有無や値上げ額が異なるため、まずは値上げを行ったホームが当該企業の運営ホームの10%以上の場合に「値上げを行った企業」と定義。さらにこの残数のうち、値上げを行っていないホームが10%以上を占める企業を「値上げを行わなかった企業」と定義した。また、「管理費のみの値上げ」「食費のみの値上げ」の場合は、どちらか一方の費目が不明の場合も含む。

【図4(過去3年間の値上げ実績)】
まず、各企業が運営するホームごとに、過去3年間の値上げ実績を抽出して、「一度でも値上げを行ったホーム」「一度も値上げを行わなかったホーム(不明含む)」に区分。本区分の最多パターンを企業ごとに算出することで「値上げを行った企業」「値上げを行わなかった企業」を定義した(区分が同数の場合は「値上げを行った企業」を優先)。なお、本プレスリリースで取り扱う企業には社会福祉法人、医療法人などの非営利法人も含む。

【管理費の定義】
ホームが定める月額固定の費用。共益費と費目が分かれる場合はこれを含む。水光熱費と費目が分かれる場合はこれを含まない。

【食費の定義】
ホームが定める月額固定の費用。1食あるいは日単位の価格表示の際は、3食、30日で換算。

【平均要介護度】
各ホームの平均要介護度の平均値。


■福祉施設・高齢者住宅DataBaseの概要
全国の福祉施設のデータベースを構築。住所情報のほか入居率や利用料等の商品情報を法人向けに提供。ホーム事業者や福祉機器メーカー、学術機関等の様々な分野で採用されている。

WEB : https://koureisha-jutaku-db.com/
企画協力・販売: 株式会社高齢者住宅新聞社(東京都中央区銀座8-12-15)


■株式会社TRデータテクノロジー
画像5: https://www.atpress.ne.jp/releases/551566/LL_img_551566_5.jpg
株式会社TRデータテクノロジー 二次元コード


詳細はこちら
プレスリリース提供元:@Press
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ゼレンスキー氏、パトリオット・システム25基購入契

ビジネス

日経平均は大幅反発、初の4万9000円 政局不透明

ワールド

独政府、F35戦闘機15機追加発注を計画と関係筋 

ワールド

中国レアアース磁石輸出、9月は6%減少 回復途切れ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 3
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「実は避けるべき」一品とは?
  • 4
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    ニッポン停滞の証か...トヨタの賭ける「未来」が関心…
  • 7
    ギザギザした「不思議な形の耳」をした男性...「みん…
  • 8
    【インタビュー】参政党・神谷代表が「必ず起こる」…
  • 9
    「中国は危険」から「中国かっこいい」へ──ベトナム…
  • 10
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 5
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 6
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 7
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 8
    「心の知能指数(EQ)」とは何か...「EQが高い人」に…
  • 9
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 10
    「欧州最大の企業」がデンマークで生まれたワケ...奇…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中