Picture Power

【写真特集】原爆はまだ歴史になっていない 広島・長崎被爆者の「沈黙の痛み」

THE YEAR 1945

Photographs by HARUKA SAKAGUCHI

2019年08月06日(火)11時05分

pp190806theyear1945-5b.jpg

李鐘根(89、イ・ヂョングン)
撮影時の5年前まで「江川」姓だったが、被爆して生き残った数少ない在日韓国人2世だと自覚し、本名を使うようになった。被爆後、朝鮮半島に帰ろうと下関まで行ったが、「家もない、寺もない」状態でどう生活するのかと考え、引き返した。おかげで朝鮮戦争を免れた。

pp190806theyear1945-6b.jpg

阿部雅治(63)
5歳の時に「心臓に穴が3つある」と診断され短命予告を受けた。原爆が健康に与える長期的影響を調べる米原爆傷害調査委員会(ABCC)から通知が来て、10歳まで毎年「検査」に来るよう言われた。迎えに来るジープなどは印象的だったが、「検査」は治療につながらず、結局は日本人医師のおかげで生き永らえた。

pp190806theyear1945-7b.jpg

沖西慶子(52)
長崎で生まれ小学5年生の時に広島に移住した被爆2世。2008年に甲状腺疾患と診断されるまで2世の自覚はあまりなかった。48歳の時に初めて母親の被爆体験を聞いた。

pp190806theyear1945-8b.jpg

山脇佳朗(83)
11歳の時に長崎で被爆し、亡くなった父親を火葬した。翌日遺骨を拾いに戻ると半焼けの父の姿に呆然とした。頭蓋骨だけでも拾おうとしたら脳が流れ出し、悲鳴を上げて逃げた。「あんな状態で見捨ててしまった」と、今でも悔やんでいる。

pp190806theyear1945-9b.jpg

岡田恵美子(80)
8歳の時に広島で被爆。その後嘔吐が続き、髪も抜け、歯茎から出血し、学校をよく休んだ。12歳だった姉は今も行方不明。親は亡くなるまで、どこかで生きていると願いながら姉の死亡告示を出さなかった。

【参考記事】特別寄稿:TBSアナ久保田智子「私の広島、私達のヒロシマ」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米ウクライナ首脳、日本時間29日未明に会談 和平巡

ワールド

訂正-カナダ首相、対ウクライナ25億加ドル追加支援

ワールド

ナイジェリア空爆、クリスマスの実行指示とトランプ氏

ビジネス

中国工業部門利益、1年ぶり大幅減 11月13.1%
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 3
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それでも株価が下がらない理由と、1月に強い秘密
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 6
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 7
    「アニメである必要があった...」映画『この世界の片…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    2026年、トランプは最大の政治的試練に直面する
  • 10
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story