コラム

世界を引っ張るリーダーが日本で生まれづらい理由

2017年10月20日(金)16時40分

もちろん、憶測に過ぎない話が多いが、リーダー不足の原因はほかにもいろいろ思い浮かぶ。「プレゼンテーションより飲みニケーション」というコミュニケーションスタイルも関係するかもしれない。年功序列や一括採用など、企業の在り方や人事の伝統も要因かもしれない。もう、枚挙に暇がないほどだ。

でも、最後にもう1つの可能性を取り上げよう。それは「日本は今のままでもうまくいっている」ってことだ。目立つカリスマ的存在がいなくても、集団行動でだいたいうまくできている。官僚も中間管理職もそれなりにしっかり仕事をこなしているし、国民や社員もそれなりに満足しているのだ。そんなに「リーダー、リーダー」という必要もない。スティーブ・ジョブスやジョン・F・ケネディのような超人的な人物が生まれてはいないが、日本版トランプもドゥテルテもベルルスコーニも生まれていない。普通が一番いい!

もしかしたら、この考えでこの先も行っていいかもしれない。リスクも低いし、気が楽だ。あのランキングだって気にしなくていい。どっちみち、日本を引っ張り、世界を変える本当のリーダーはフォーチュン誌より、ニューズウィーク日本版ウェブを読んでるはずだからね!

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プロフィール

パックン(パトリック・ハーラン)

1970年11月14日生まれ。コロラド州出身。ハーバード大学を卒業したあと来日。1997年、吉田眞とパックンマックンを結成。日米コンビならではのネタで人気を博し、その後、情報番組「ジャスト」、「英語でしゃべらナイト」(NHK)で一躍有名に。「世界番付」(日本テレビ)、「未来世紀ジパング」(テレビ東京)などにレギュラー出演。教育、情報番組などに出演中。2012年から東京工業大学非常勤講師に就任し「コミュニケーションと国際関係」を教えている。その講義をまとめた『ツカむ!話術』(角川新書)のほか、著書多数。近著に『パックン式 お金の育て方』(朝日新聞出版)。

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