最新記事
シリーズ日本再発見

桐生ココ、日本が生んだバーチャルYouTuberアイドルの「卒業」を世界中のファンが悲しんでいる

The Wild World of VTubers

2021年07月01日(木)18時30分
ジェイク・ディーン、ディーリア・マリネスク

210706P64KCO_02B.jpg

ココの誕生日当日の「あさココLIVEニュース」配信。視聴者からの「投げ銭」スーパーチャット(右端)は人気の証しだ COCO CH. 桐生ココ/YOUTUBE


桐生ココ
誕生日:6月17日
身長:180センチ(ドラゴン時7メートル)
デビュー日:2019年12月28日
人間の文化に興味を持ち、異世界から日本に語学留学中の子供のドラゴン。仁義と任侠を重んじる正義感あふれるドラゴンで、気合で人間の姿を保っている。

桐生ココの活動内容

「あさココLIVEニュース」を配信し、ホロライブの所属タレントの近況を紹介。ゲームの実況動画を配信したり、所属タレントのミームを紹介したりするミームレビューなどの動画も公開している。ココはずけずけ発言し、ユーモアがあって、口が悪い。ホロライブのほかのメンバーをいじるのが好きだが、総じて所属タレントの中でも特に思いやりがあるとみられている。

それでも、生身のスター同様、スキャンダルと無縁というわけではない。

2020年9月、ココと、彼女と同じくホロライブ所属の「赤井はあと」は3週間の活動自粛処分に。生配信で視聴地域の分析結果を読み上げた際に、台湾を国扱いし台湾の旗を映したと批判されたのだ(カバーは、2人が「機密情報である自身のYouTubeチャンネルの統計データ(分析結果)」を開示し、「その内容について、一部地域に在住の方に対する配慮に欠けた発言があった」と説明)。

今回の卒業について

J‒POPでは引退を「卒業」と呼ぶ。引退といっても普通はある程度の年齢に達して別の活動に移ることだが、ココの場合は要するにもうYouTube上に存在しなくなるわけだ。この知らせに、「悪夢だ」「冗談だと言って」「泣いちゃう」といった返信コメントが英語、日本語、スペイン語などで飛び交った。

ココは9日の生配信で卒業理由については言えないとコメント。7月1日午後8時(日本時間)から卒業ライブを配信することも発表した。カバーはプレスリリースで「弊社一同、残念な気持ちではございますが、何度も話し合いを重ねた結果、本人の意向を尊重」することになった、とコメントした。

これまでにもVチューバーがさまざまな理由で卒業している。例えばキャラを演じる生身の声優や俳優(いわゆる「中の人」)の精神面・体調面での問題などだ。

「中の人」の待遇

Vチューバーの「中の人」が顧みられることは少ない。実際、彼らの待遇をめぐってVチューバー事務所はたたかれてきた。理屈の上では彼らはいくらでも替えが利くのだ。

Vチューバーは生身の人気ユーチューバーと違って知的財産だ。制作会社はコンテンツを海外に輸出し、バーチャルのタレント事務所はビジネスチャンスを広げるために彼らを活用できる。タレントは仮想的なキャラクターであって、モーションキャプチャーのスーツを着た俳優ではない。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

プーチン氏「良識働けば協議で戦争終結」、 交渉不調

ワールド

米ポーランド首脳会談、ウクライナ情勢など巡り協議へ

ビジネス

米労働者の家計不安増大、8割近くが経済に懸念=米銀

ワールド

訂正-プーチン氏への「メッセージなし」、決定を待つ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:豪ワーホリ残酷物語
特集:豪ワーホリ残酷物語
2025年9月 9日号(9/ 2発売)

円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代──オーストラリアで搾取される若者たちの実態は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 2
    「見せびらかし...」ベッカム長男夫妻、家族とのヨットバカンスに不参加も「価格5倍」の豪華ヨットで2日後同じ寄港地に
  • 3
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体」をつくる4つの食事ポイント
  • 4
    Z世代の幸福度は、実はとても低い...国際研究が彼ら…
  • 5
    【動画あり】9月初旬に複数の小惑星が地球に接近...…
  • 6
    「よく眠る人が長生き」は本当なのか?...「睡眠障害…
  • 7
    【クイズ】世界で2番目に「農産物の輸出額」が多い「…
  • 8
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動…
  • 9
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シ…
  • 10
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 1
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 2
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動ける体」をつくる、エキセントリック運動【note限定公開記事】
  • 3
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体」をつくる4つの食事ポイント
  • 4
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 5
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 6
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 7
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 8
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 9
    首を制する者が、筋トレを制す...見た目もパフォーマ…
  • 10
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シ…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大ベビー」の姿にSNS震撼「ほぼ幼児では?」
  • 4
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 5
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 6
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 9
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 10
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中