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シリーズ日本再発見

日本の社会人の大半が自分の口臭を気にしている

2019年12月18日(水)16時35分
高野智宏

「20年ほど前からオフィスでの喫煙が規制されるようになったり、平成14年(2002年)に施行された健康増進法で禁煙を促すようになったりしましたが、時を同じくして日本人のにおいに対する意識が高まってきたように思います。その頃から、口臭外来が少しずつ増え始めたのではないでしょうか」

そう話すのは、大西歯科モノレールビルクリニック(東京・浜松町)の大西祥文院長だ。通常の虫歯治療に加え、予防歯科にインプラント治療、さらには、口元のエイジングケアを行う「デンタルエステ」も提案する、先進の歯科クリニックである。口臭外来も約15年前に開設と、そのニーズにいち早く対応している。

大西院長によれば、15年間で口臭外来を受診した患者は延べ1500人以上。意外や性別は男女で大きく変わらず、年齢は30代後半から60代が多く、最近では20代の患者も増えてきたとか。やはり接客業や営業など客との距離が近い職種の人の受診率が高く、なかには、勤務先で促され受診に来た患者もいるという。

現代人の悩みである口臭だが、その原因は大きく分けてふたつある。ひとつは歯周病菌を起因とする「病的口臭」で、これは治療しない限り発生を防ぐことができない。そしてもうひとつが、クセや日々の生活習慣を原因とする「生理的口臭」だ。生理的口臭について、大西院長はこう語る。

「原因のひとつが口腔乾燥です。これは、食いしばりや歯ぎしりによって咬筋(こうきん)が発達し、唾液が出る管が圧迫されたことで唾液量が減少したり、口呼吸が原因で唾液が蒸発したりすることで口の中が乾燥してしまうから。また、コーヒーや紅茶、緑茶といったカフェインの多量摂取なども、利尿作用による口腔乾燥を引き起こします」

大西歯科の口臭外来では、そうした複数の要因からなる口臭を「大西式ハイブリッド口臭治療」と呼ぶ治療法により解消するという。歯周病菌のDNAにまで及ぶ徹底的な検査を行い、原因菌の除菌や口腔内細菌の改善などを中心に治療科目を構成。治療後のケアも万全で、患者の状態に合わせたオーダーメイドの治療を提供することで、口内環境を健全にし、口臭改善を目指している。

喫煙による口臭は治らないが、においの少ない製品がある

だが、そうした最新の口臭治療をいくら受診しても、治らない口臭がある。喫煙による口臭だ。なかでも従来の紙巻きたばこは、喫煙直後のにおいがきついのはもちろん、ヤニの影響による歯の粘つきも気になるところ。また、それが長年にわたり蓄積されれば黄ばみの原因にもなってしまう。

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