コラム

米議会に侵入「Q-Anonの祈祷師」とは何者か──トランプ支持をやめない日本人の罪

2021年01月12日(火)19時10分

移民や性的少数者に敵意を隠さないトランプ大統領は、欧米諸国に広がる白人至上主義の一つの要、言い換えるとヘイトの後ろ盾になってきた。白人至上主義者の視点で世界をみてトランプを支持する日本人は、その時点で他者に精神的に従属していることになるのだが、そうした者に同情しなければならない義理はない。

むしろ、ここで重要なことは、白人至上主義の観点からみてアジア系もまたヘイトの対象になるということだ。

コロナ禍により欧米ではアジア系への差別・偏見が広がっており、例えばこの20年間でアジア系への暴力が減少していたアメリカでも、昨年上半期だけで2100件のヘイトクライムが報告されている。こうした兆候はアメリカに限らず、例えばイギリスでもアジア系へのヘイトクライムが21%増加したという報告がある。

コロナ禍をきっかけとするアジア系差別は中国への不信感の表れといえるが、トランプ大統領の言動はこれに拍車をかけてきた。選挙に負けてもそれを認めないトランプの姿は、ただでさえコロナ禍で反アジア系の気運を高めていた白人至上主義者をさらに鼓舞する。

ところで、ほとんどの欧米人の眼に日本人と中国人の区別はつかない。つまり、トランプ大統領を支持する日本人は、そのつもりのあるなしに関わらず、欧米に暮らす日本人が直面するリスクを喜んでいることになる。

トランプ支持者のほとんどは「愛国」をしばしば口にするが、その言葉の重みはこれまでになく低下していると言わざるを得ないのである。

※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。

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プロフィール

六辻彰二

筆者は、国際政治学者。博士(国際関係)。1972年大阪府出身。アフリカを中心にグローバルな政治現象を幅広く研究。横浜市立大学、明治学院大学、拓殖大学、日本大学などで教鞭をとる。著書に『イスラム 敵の論理 味方の理由』(さくら舎)、『世界の独裁者 現代最凶の20人』(幻冬舎)、『21世紀の中東・アフリカ世界』(芦書房)、共著に『グローバリゼーションの危機管理論』(芦書房)、『地球型社会の危機』(芦書房)、『国家のゆくえ』(芦書房)など。新著『日本の「水」が危ない』も近日発売

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