コラム

中国、日本、ドイツ...2026年の各国経済の成長を左右するのは「あの政策」の有無

2025年12月24日(水)17時55分

日銀の失政が日本経済にとって無視できないリスクに

ただ、日本において拡張的な金融財政政策が実現するか否かに関しては、ドイツよりも期待しづらい。少数与党である現政権が予算を実現させるには野党の協力が必要だが、連立相手の日本維新の会は成長率を高める政策を重視していないようだ。

国民民主党との協力でいわゆる「年収の壁」の問題是正は表面上進んだが、追加の減税規模は6500億円程度であり、国民民主党が掲げていた規模の減税はほとんど実現していない。

自民党内をはじめ、多くの政治家が緊縮的な財政政策を志向したままなので、政治的な基盤が強くない高市政権にとって抵抗勢力になっていると言える。こうした中で、もしも高市政権の世論の支持率が2026年に低下すれば、経済成長率を高める財政政策転換は到底実現しない。

そして、欧州ではECBの金融政策は据え置かれる一方で、日本銀行は2026年以降も金融引き締め政策を続けるため、これが経済成長の足かせになるとみられる。7-9月期のGDP成長率がマイナスに落ち込むなど、日本の経済成長率は1%程度にとどまり、需給ギャップは中立付近で推移する中で、利上げ継続を正当化するのは難しいと筆者は評価している。

それでも、世論に不人気な円安への配慮からなのか、いわゆる「中立金利」まで利上げを実現する植田和男総裁らの意向は強い。このため、1990年代以降繰り返されたように、日銀の失政が日本経済にとって無視できないリスクになるだろう。

プロフィール

村上尚己

アセットマネジメントOne シニアエコノミスト。東京大学経済学部卒業。シンクタンク、証券会社、資産運用会社で国内外の経済・金融市場の分析に20年以上従事。2003年からゴールドマン・サックス証券でエコノミストとして日本経済の予測全般を担当、2008年マネックス証券 チーフエコノミスト、2014年アライアンスバーンスタン マーケットストラテジスト。2019年4月から現職。『日本の正しい未来――世界一豊かになる条件』講談社α新書、など著書多数。最新刊は『円安の何が悪いのか?』フォレスト新書。

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