好調な経済は、米国株市場のリスク?
 
          
米国経済の最大の問題だったインフレ制御については、FRBの対応が成功しつつある......パウエルFRB議長 REUTERS/Evelyn Hockstein
<FOMCでは金利据え置きが決定されたが、次の対応が「利下げ」であることが声明文で明示された。また、1月の雇用統計が大幅な雇用増加となり、金融市場の懸念点は、これまでの利上げによって米国経済が失速することよりも、経済活動が好調過ぎる為に、インフレが再び上昇することに移りつつある......>
1月31日に行われたFOMC(連邦公開市場委員会)において、4回会合連続で政策金利は据え置かれた。声明文では、「追加利上げ」が前提となっていた先行き指針の部分が変更された。具体的には、「今後の政策調整にあたり、データ、見通し、リスクバランスを慎重に評価」「インフレが2%に持続的に向かうとの強い自信を抱くまでに、利下げを行う事は適切とはみなさない」とされている。
FRBの政策姿勢が公式に変わった意味は小さくない
FRB(連邦準備理事会)の次の対応が「利下げ」であることが声明文で明示されたことについては「今更感」はあるのだが、FRBの政策姿勢が公式に変わった意味は小さくない。論点はいつ利下げを始めるかにほぼ絞られ、時期が近づいている、ということである。パウエル議長は、利下げについて昨年12月時点の政策金利見通しを援用し「今年3回の利下げを考えている」としながら、「3月利下げは基本シナリオとは言えない」と踏み込んで言及した。
 
FRBが政策目標とする、インフレ指標(個人消費支出価格コア指数)の最近の急ピッチな減速を踏まえると、次回3月中旬の会合に、利下げ開始の条件はギリギリ揃うのではないか、と筆者は考えていた。ただ、今後1か月余りの間のデータの蓄積では不十分と考える複数の参加者がいる中で、彼らの意向が尊重されたようである。3月会合はアクションには至らないが、「利下げの是非」を踏み込んで議論する場になりそうである。
今の株式市場のリスクは「米国経済の好調が崩れない」こと
一方、1月分の雇用統計では前月比約35万人もの大幅な雇用増加となり、これまでの利上げによって「労働市場が減速している」との判断を揺るがしかねないサプライズとなった。金融市場の懸念点は、これまでの利上げによって米国経済が失速することよりも、経済活動が好調過ぎる為に、インフレが再び上昇することに移りつつある。一見矛盾するが、今の株式市場にとってのリスクは「米国経済の好調が崩れない」ことになる。
 
それでは、米国経済は絶好調と言えるのだろうか。米国では、降雪などで経済活動が滞る1、2月の経済指標は例年ブレやすい。先に紹介した、1月分の雇用統計の大幅な上振れは、この問題が影響している可能性がある。例えば、ADP(オートマチック・データ・プロセッシング)社が公表する民間雇用者数は同月に前月差約10万人と前月からほぼ変わらずで、他にも、労働市場の減速を示す指標が散見される。労働市場のデータを俯瞰すれば、「経済活動が強すぎる」が故に、固まりつつあるFRBの利下げ路線が揺らぐ可能性は低いようにみえる。
 
再び浮上しつつある「好調な米国経済」に対する市場の疑念は今後和らぐとみられ、パウエル議長らはインフレ制御への自信を強める中で、3月FOMC会合での本格検討を経て、利下げ開始を着実に進めると予想される。FRBが最重視するインフレ指標は既に6か月程度落ち着いているが、同様のインフレの落ち着きがあと約3カ月続くことが、「利下げ開始」の条件になるだろう。早ければ、5月FOMC会合時点での利下げ開始は十分想定できると見込まれる。
自民・維新連携で始動する高市政権に期待できる理由 2025.10.21
高市新総裁の「高い経済理解」と高市政権で起こる経済政策の大転換 2025.10.07
習近平政権が反「内巻き政策」を続けても、中国のデフレは続く 2025.09.24
石破首相退陣、次は誰か? 日本株のリターンが米国株を大きく上回る期待のシナリオ 2025.09.08
トランプ大統領のFRBへの政治圧力・利下げ要求は株式市場のリスクか? 2025.09.04
「必然だった」日経平均の最高値更新...なぜ出遅れたか、米国・日本の経済の今後は? 2025.08.14
- 
        
            経理事務/外資系資産運用会社@神谷町にて経理 マンパワーグループ株式会社 - 東京都
- 年収450万円~500万円
- 正社員
 
- 
        
            人事・総務事務/「正社員」外資系製造メーカーでの人事労務@芝公園 マンパワーグループ株式会社 - 東京都
- 年収400万円~450万円
- 正社員
 
- 
        
            一般事務/「在宅週~3日」外資IT商社 シニアリベートアナリスト/経理 一般事務・OA事務 ランスタッド株式会社 - 東京都
- 月給34万円
- 正社員
 
- 
        
            プロダクトエンジニア「ポテンシャル採用/大手や外資系など3000社に導入/HR SaaS「ミキワメ」/港区虎ノ門/web系SE・PG/東京都 株式会社リーディングマーク - 東京都
- 年収400万円~550万円
- 正社員
 


 




 
 
 
 
 
     
 
     
 
     
 
     
 
     
 
     
 
     











