塚本晋也が自主製作映画『野火』で描いた、戦争の極限状態と日本兵の人肉食
映画を観ながら気付く。これは要するにゾンビ映画だ。
レイテ島で米軍の俘虜(ふりょ)となった自らの体験を基に書いた『俘虜記』から3年後に、大岡は俘虜となる前をテーマにした『野火』を発表した。主人公を狂人に設定したことでフィクショナルなトーンは強くなったが、人肉食も含めて、大岡が実際にレイテ島で体験した事実なのだろう。
ゾンビ映画はまさしく現代のファンタジーだが、人を極限状況に追い込む戦争はほぼ同じ世界をリアルに現出する。構想20年。塚本にとっては執念の自主映画だ。とにかく痛い。汚い。悲惨だ。救いがない。だから実感する。それが戦争だ。
『野火』(2015年)
©2014 SHINYA TSUKAMOTO/
KAIJYU THEATER
監督/塚本晋也
出演/塚本晋也、リリー・フランキー、中村達也、森優作
<2020年12月22日号掲載>

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