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脆弱なダイヤルアップ回線からの投稿が話題に...インドの青年が、英諜報機関の頂点に立つまで
ウェブ投稿した記事がウイルスのように広まった
そこでなけなしの給料をかき集めて小さなウェブスペースを購入し、ウェブサイトで執筆を始めた。バッファオーバーフロー、パスワードクラック、コーディングの弱点や脆弱性に言及し、その上で、ちょっと突っつかれたくらいでは倒れないソフトウェアをどう構築するか──生々しく、フィルターのかかっていない投稿を書き綴った。
サイトのデザインは酷いもので、現地の電力供給も不安定だったが、それらの記事はウイルスのようにアングラなメーリングリストを通じて広まり、コーディング・コミュニティでかなりの人気を博した。
2000年代初頭のある朝、筆者の電話が鳴った。韓国の国番号だった。礼儀正しいリクルーターが、ソウルへの移住を検討しないかと尋ねてきた。3週間後、スーツケース一つと、自分の可能性に期待しながら現地に降り立った。その後の1年間、まるでSFの世界のような研究開発ラボで、インスタントラーメンをすすりながら、セキュアコーディング基準や、ユーザーおよびカーネルレベルのルートキット(rootkit)と格闘する日々を送った。
そこから1年後、すべてを変える出来事が起きる。ある日電話がかかってきて、歯切れの良い英国訛りの人物が、筆者をオーストリアの首都ウィーンで開催される「技術ワークショップ」に招待した。その人物は社名を明かさなかったが、航空券が送られてきて、「興味深い話がある」という約束だけが提示された。
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