コラム

なぜ? 温暖化で海氷が減少するなか、ホッキョクグマの栄養状態が近年「改善」していたと判明

2026年01月31日(土)16時15分

海氷が減り続ければ、いずれ維持限界に達する可能性も

「海氷が大幅に消失している時期に身体コンディションが向上したことは驚きだった」とアールス氏は英大衆紙デーリー・メール(1月30日付)に打ち明けている。「極地研究所で研究を始めた頃は、ホッキョクグマはおそらく痩せ細っていくだろうと考えていた」という。

「しかし実際には逆のことが起きている。ホッキョクグマたちは海氷の上でアザラシを狩る能力を失い、陸上で過ごす時間がはるかに増えているにもかかわらず、より良いコンディションにある」

「通常、状況が悪化し、食べ物へのアクセスが減れば、まず痩せて脂肪を蓄えられなくなる。これがさらに深刻化する前に見られる現象であり、その後に生存率や繁殖率が大幅に低下する」とアールス氏は解説している。

急激な地球温暖化でエコシステムにも大きな変化が起き始めている。幸いなことにスバールバル諸島のホッキョクグマは高い適応力を示しているが、将来的な海氷のさらなる喪失により、いずれ維持することが限界に達する可能性があるとアールス氏は警鐘を鳴らしている。

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プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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