コラム

「中国のビットコイン女王」が英国で有罪...押収された1兆円超は誰のもの? 中国は「返還」要求

2025年10月10日(金)19時03分

50〜75歳の企業経営者、銀行員、司法関係者らが友人や家族の紹介で「富の女神」と呼ばれていたチアン被告のスキームに数十万〜数千万人民元を投資。被害総額は400億元。チアン被告はこのうち11億元(236億円)をビットコインに換え、偽造書類を使って英国に逃亡した。

英国でチアン被告のマネーロンダリング(資金洗浄)を手伝ったウェン被告は妊娠中の2007年に配偶者ビザで英国に移住。法律のディプロマ課程と経済学の学士課程を修了したものの、リーズやロンドンの中華料理ファーストフード店で働く貧しいシングルマザーだった。

人生が一変。贅沢三昧の日々を満喫

ウェン被告はファーストフード店地下のベッドルームで暮らし、年収は5979ポンド。しかしチアン被告と出会って人生は一変。2万5000ポンドのメルセデス・ベンツ・Eクラスを乗り回し、高級百貨店ハロッズで月3万ポンドの買い物をするようになった。(1ポンド=204円)

家賃1万7000ポンドと6カ月分の前払金、 4万ポンドの頭金を支払ってハムステッド・ヒースそばの6ベッドルーム邸宅(実勢価格500万ポンド相当)に引っ越した。息子を一学期6000ポンドもする名門学校に通わせた。

宝石商オーナーになりすましドイツ、ローマ、チューリヒ、ノルウェー、タイ、中国、日本を観光旅行。ドバイでは50万ポンド以上でマンション2戸を購入、海岸沿いのトスカーナ風ヴィラ(1000万ポンド)の入札も検討するほど贅沢三昧の日々を満喫していた。

プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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