ウクライナ大統領「独立守った」、ロ侵攻から4年 G7「揺るぎない支持」
2月14日、ドイツで開催されたミュンヘン安全保障会議で演説するウクライナのゼレンスキー大統領。REUTERS/Liesa Johannssen
[キーウ 24日 ロイター] - ウクライナのゼレンスキー大統領は24日、ロシアによる侵攻開始から4年目を迎えたのに合わせ演説し、同国が独立を守り抜いたと述べた。和平を模索するにあたり、国民が払った犠牲を決して無駄にはしないと強調し、ウクライナの同盟国に対し支援を継続するよう求めた。
ただ、欧州連合(EU)が対ロシア制裁で合意できないなど、パートナーである欧州諸国間の対立が影を落とす。
ゼレンスキー大統領は「プーチン(ロシア大統領)は目標を達成できていない。ウクライナ国民を屈服させることもできず、この戦争に勝ってもいない」とし、「われわれはウクライナを守り抜いた。平和を実現し、正義を確実にするためにあらゆる手を尽くす」と述べた。
2022年2月24日の全面侵攻開始から4年となるこの日、ゼレンスキー氏はEUのフォンデアライエン欧州委員長、フィンランドのストゥブ大統領、デンマークのフレデリクセン首相らと記念式典に出席。しかし、例年とは異なり、西側主要国の首脳らの姿はなかった。
こうした中、主要7カ国(G7)首脳は声明を発表し、ウクライナの領土保全と生存権の防衛に対する揺るぎない支持を改めて表明。「われわれは、トランプ大統領による、当事者間の直接協議を通じて目標を達成しようとする和平プロセスを引き続き支持する。欧州は他のパートナーと共に、このプロセスにおいて主導的な役割を果たす。ウクライナとロシアが誠意を持って交渉に臨むことによってのみ、和平合意に達することができると考える」とした。この声明は米政府も支持しているとみられる。
第2次世界大戦後、欧州で最も凄惨な紛争となった今回の戦争では、双方で数十万人の兵士が死傷した。ロシア軍による長年のミサイルやドローン攻撃により、ウクライナの民間人にも数万人の犠牲者が出ており、多くの都市が破壊された。
米国が仲介するロシアとの和平交渉は、領土問題を巡り停滞しているもようだ。戦地で緩やかに前進を続けるロシア側は、東部ドネツク州の残り20%の割譲を要求し続けている。一方、ウクライナ側は、数千人の犠牲を払って守り抜いた領土を決して手放さない構えだ。
ゼレンスキー氏は「われわれが望むのは、強固で尊厳ある、永続的な平和だ」と表明。自国の交渉担当者に対し「これまでの年月や、ウクライナが経験してきた闘い、勇気、尊厳のすべてを無にしたり、価値を下げたりしてはならない。それらを放棄したり、忘れたり、裏切ったりすることは許されない」と伝えたことを明らかにした。
さらに、和平協定が締結されれば、EU加盟がウクライナの将来の安全保障を保証するとし、ウクライナ側は2027年までに準備が整うだろうとした。「ロシアは、欧州が独立した国家の連合体で、何百万人もの人々が屈辱を許さず、暴力を受け入れないということを学ばなければならない」と述べた。
EUは23日にブリュッセルで開いた外相理事会で、ウクライナに侵攻するロシアに対する新たな制裁措置のほか、ウクライナに対する融資などについて協議したものの、ハンガリーとスロバキアが反対姿勢を崩さなかったため、合意は得られなかった。
ロシアと緊密な関係を維持するハンガリーと、その隣国スロバキアは、ロシア産原油を東欧へ運ぶドルジバ・パイプライン経由の供給をウクライナが故意に阻止していると非難している。
ウクライナの関係筋がロイターに語ったところによると、同国はパイプラインによる供給再開について公式発表を行っていない。欧州委員会のフォンデアライエン委員長は、ロシアによるパイプラインの損傷を非難したが、EUはウクライナに修復の迅速化を要請したと述べた。
キーウに集まった首脳らは「有志連合」として会合を開いた。ビデオリンクで参加した英国のスターマー首相は、同盟国はウクライナを支援し、ロシアに圧力をかけるために「一層の尽力」をしなければならないと述べた。
英政府は24日、ロシアの石油パイプライン大手トランスネフチを含む約300のロシア関連対象に制裁を科すと発表。ウクライナ戦争初期以来で最大規模の制裁パッケージという。しかし、ゼレンスキー氏は、依然としてロシア産石油を購入している国があり、紛争の資金源になっていると批判した。
同じくリモートで参加したドイツのメルツ首相は、第20弾となる対ロ制裁措置を推し進めて「ロシアの戦争資金を枯渇させる」ことが重要だと指摘。「われわれは明確に認識しなければならない。この戦争は、プーチン大統領が勝てないと悟った時にのみ終わるだろう」と述べた。
この日のキーウ街頭は静まり返っていた。中央広場では数十人が式典に集まり、兵士たちは旗を掲げて戦死者に黙とうを捧げた。多くのウクライナ国民の間で厭戦(えんせん)気分が広がっている。
ゼレンスキー大統領は欧州議会に向けたテレビ演説で、EU加盟27カ国に対し、ウクライナのEU加盟は和平協定締結後のウクライナの将来の安全を保証するものだと訴えた。また、トランプ米大統領に対しウクライナへの訪問を呼びかけ、「われわれの苦難を見て、国民の苦しみの大きさを理解すれば、この戦争の本当の意味が分かる」と述べた。





