コラム

和解に向けた第一歩に? ヘンリー公爵とチャールズ国王が19カ月ぶり再会...エリザベス女王逝去3年

2025年09月11日(木)19時41分
チャールズ国王と懇談したヘンリー公爵

イギリスに帰国したヘンリー公爵(9月10日、ロンドン) REUTERS/Suzanne Plunkett/Pool

<アメリカからイギリスに帰宅してがん闘病中の父チャールズ国王と54分間、紅茶を飲んで懇談したヘンリー公爵。「和解の兆し」か「パフォーマンスにすぎない」のか>

[ロンドン発]エリザベス英女王が逝去されて3年──。英王室を離脱したヘンリー公爵(王位継承順5位)が9月10日、ロンドンのクラレンス・ハウスで父チャールズ国王と54分間、紅茶を飲みながら懇談した。ヘンリー公爵と王室の和解に向けた小さな一歩として注目される。

クラレンス・ハウスは国王が公邸として使っている。

昨年2月、国王が「良性前立腺肥大の処置の際に見つかった別の所見によりがんの一種が確認された」と発表した。ヘンリー公爵は米ロサンゼルス郊外から一時帰国し、クラレンス・ハウスで30~45分間、国王と会った。それ以来19カ月ぶりの再会である。

2020年に英国を離れたヘンリー公爵とメーガン夫人は米人気司会者オプラ・ウィンフリー氏のインタビューで「王室内で生まれてくる子どもの肌の色に懸念を示す発言があった」と暴露。メーガン夫人は「精神的に追い詰められていたのに助けてくれなかった」と王室を非難した。

ウィリアム皇太子との取っ組み合いを暴露

Netflixドキュメンタリー『ハリー(ヘンリー公爵の愛称)&メーガン』でも兄ウィリアム皇太子、チャールズ国王との確執がつまびらかにされた。ヘンリー公爵は回想録『スペア』でウィリアム皇太子との口論、取っ組み合いを暴露し、兄弟の断絶は決定的なものになった。

プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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