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いよいよ「崖っぷち」のマクロン仏大統領...解散・総選挙なら強硬右派「国民連合」が議席倍増か
バイル首相は昨年12月、共和党のミシェル・バルニエ前首相が内閣不信任決議を受けて就任3カ月で辞任したことを受けて就任。マクロン氏が正面突破を狙った昨年の解散・総選挙で中道与党連合「アンサンブル」は議席を大幅に減らし、フランスの政情不安は一段と強まった。
エマニュエル・マクロン大統領が誕生した2017年以降、バイル氏は6人目の首相。マクロン氏は盟友バイル首相を全面支持するものの、まもなく7人目の首相を選ぶ運命にある。左派連合「新人民戦線」と強硬右派「国民連合」はバイル首相の緊縮予算案に反対している。
ベビーブーマー優遇のため政府債務を積み上げる
左派は「すべてを阻止しよう」とのスローガンを掲げ、緊縮予算反対運動を展開し、9月10日のゼネストを呼びかける。これに対してバイル首相は戦後のベビーブーマー世代に楽をさせるために長年積み上げてきたフランスの政府債務を削減して、若者を支援する重要性を強調する。
昨年、財政赤字はGDP比5.8%に達した。緊縮予算案には11の祝日のうち2日を廃止する不人気な措置も含まれている。この夏のホリデーは国民の反発を増幅し、7月の世論調査で73%だった緊縮予算反対派は 8月に入って84%にハネ上がった。
仏国際ニュース専門チャンネル「フランス24」は3つのシナリオを挙げる。国民連合がこれまで通り棄権した場合、バイル首相は辛うじて勝利を収める可能性があるが、その兆候はない。強硬右派から急進左派に至るまで主な野党はすべてバイル首相の緊縮財政策に反対している。