コラム

ドイツ極右AfDが得票率倍増で第2党に躍進...ドイツはデンマークに続く「難民ゼロ政策」の国へ?

2025年02月25日(火)18時36分

欧州のモデルになるデンマークの難民ゼロ政策

「メルツ氏の計画はデンマークのメッテ・フレデリクセン首相の政策とそっくりだ。同首相の難民ゼロ政策には給付金削減や強制送還の強化が含まれている。欧州の指導者たちが国境管理の回復を目指す中でデンマークは目指すべきモデルになっている」(ペース氏)

フレデリクセン首相は反移民のデンマーク国民党を上回る過激なレトリックで社会民主党を立て直した。しかし日本同様、少子高齢化が進むドイツは移民を受け入れなければ労働人口が2060年までに4640万人から3510万人に減少する恐れがある。

人口が減り、国力が急激に衰えると民族の防衛本能は一段と強まる。

保守系独紙ウェルト(2月24日付)は「移民問題に関してドイツのSPDはデンマークの仲間が成し遂げたこと、極右と戦うために自らの役割を果たすことを怠ってきた。メルツ氏が防火壁を残した場合、次回の総選挙でAfDは30%に向かって成長する可能性がある」と警告する。

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プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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