日米関税交渉、日本は「取りあえずの勝ち」だが...待ち受ける「今後の交渉」の内容とは?
条件であるアメリカへの投資は日本にとってマイナスか
もっとも、投資項目の1つである天然ガスについては中東からの輸入をアメリカからの輸入に切り替えるだけであり、大量購入を確約したとはいえ日本側に実質的なマイナスはなく、むしろエネルギー調達先の多角化につながる。
航空機の購入についても、日本はそもそも大型航空機を自国で生産する技術や能力を持っておらず、米ボーイングもしくは欧州エアバスのどちらかから買わなければならない。欧州との関係は冷え込むかもしれないが、エアバスの輸入分をボーイングに変更するだけなので、天然ガスと同様、日本にとっての実質的なマイナスは少ない。
一方、コメ以外の農作物の輸入拡大については国内農業に影響を与える可能性があるほか、防衛装備品購入については日米双方で見解が異なっており注意が必要となる。

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