【総選挙】自民党と立憲民主党の「経済/外交/政治改革」の政策比較で分かった「異例」の現象
実際、自民党の公約と立憲民主党の公約を比較すると、立憲が政治改革に対してより踏み込んだ提言を行っていることや、自民党内で異論が出ている選択的夫婦別姓を前面に押し出していることなどを除けば、それほど大きな違いは見当たらない。石破政権も大学の無償化や地方創生という項目を掲げているので、一見すると、どちらの公約なのか分からないくらいだ。
賃上げについてもほぼ違いなし
経済政策という点において両党とも最低賃金1500円という数字を掲げたところも興味深い。最低賃金については岸田政権が2030年代半ばまでに1500円を実現するとしていたが、石破政権はこれをさらに前倒しし、20年代に全国平均で1500円という思い切った数字を出してきた。これによって賃上げ政策における両党の違いはほぼ消滅しつつある。
外交・安全保障についても、所信表明にこそ盛り込まなかったものの、石破氏はアジア版NATO創設が持論であり、その実現可能性はともかくとして、アジアとの連携を軸に日米同盟を強化させる方向性を示している。立憲民主党も外交・安全保障分野においては、日米同盟を基軸とした上でアジア太平洋地域との連携強化をうたっている。大まかな方向性という点ではかなり近くなったとみてよいだろう。
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