もはや「リベラルvs保守」では語れない...現代社会の「対立構造」は、ここまで複雑化・多様化している
日本でも戦後政治の枠組みが機能しなくなった
アメリカが抱えたこうした混乱は、ある意味で世界共通の課題であり、日本でも同じような現象が発生しつつある。戦後の自民党政治は、基本的に大企業を優遇する経済優先の政治であり、そうした枠組みから外れる中小企業や農業関係者、商店主らに十分な経済的支援を行う代わりに、自民党の票田にするという流れでパワーバランスが確立していた。
だが、そうした戦後政治の枠組みは近年、ほとんど機能しなくなっており、どの層に何をアピールすればよいのか自民党自身が迷っているように見える。保守vsリベラル、正社員vs非正規社員、都市vs地方、先端産業vs従来型産業など、対立の方程式はあまりにも複雑になっている。
減税策をめぐって迷走する岸田政権に対しては、何をしたいのか見えないといった批判が出ているが、この問題は日本政治全体に言えることかもしれない。

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