コラム

円安による「ドル不足」は、もはや日本が「経済大国」ではなくなった証拠だ

2022年10月12日(水)17時52分

とりわけ日本の場合、激しい円安が進んでいることや、日米の金利差が大きいことから、仮に融資を受けられても米銀から極めて高いプレミアム(上乗せ金利)を要求されるケースが増えている。このままでは、日本は以前のような低コストでドル資金を調達できなくなってしまう。ドルを必要とする日本企業のコスト負担は増えるので、業績に下押し圧力が加わるだろう。

欲しいときにいつでも外貨を調達し、自由に輸入ができるというのは、今の日本人にとっては当たり前の感覚となっている。だがそれは、世界屈指の経済力を持つ国だけが持つ特権であり、経済規模が小さい国は、常にドル不足という問題に悩まされてきた。

残念なことに、日本は既に経済大国ではなくなりつつあり、戦後さながらにドル確保に苦労する可能性が日増しに高まっている。円安の進展によるドル不足は一つのきっかけであり、為替が落ち着けば全て元の状態に戻るとは考えないほうがよいだろう。

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プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネスなどの分野で執筆活動を行うほか、テレビやラジオで解説者やコメンテーターを務める。『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)、『スタグフレーション』(祥伝社新書)、『本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来』 (幻冬舎新書)など著書多数。

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