円安による「ドル不足」は、もはや日本が「経済大国」ではなくなった証拠だ

ILLUSTRATION BY ERHUI1979/ISTOCK
<円安が引き起こす弊害は物価上昇だけではない。経済大国だった時には直面することがなかった「ドル不足」も、現在では十分あり得る問題に>
為替市場で円安・ドル高が続いていることから、ドル資金が急ピッチでアメリカに戻っている。日本国内では、円安による物価上昇の影響について議論されているが、円安がもたらす弊害はそれだけではない。このまま円安が継続した場合、ドル不足という問題が顕在化する可能性があり、十分な注意が必要だ。
今回の円安の背景にあるのは、言うまでもなく日米の金融政策の違いである。アメリカは量的緩和策からの撤退を進めており、金利を引き上げると同時に、中央銀行が持つ国債を売却して市中から資金を回収する「量的引き締め」をスタートしている。一方、日銀は依然として大規模な緩和策を継続中であり、ゼロ金利政策が続く。アメリカの金利は高く、日本の金利はゼロなので基本的に為替は円安に進みやすい。
両国の金融政策の違いは、ドルが市場から消え、円が市場に大量供給される状態と言い換えられる。予定されたペースで米中央銀行による資産売却が進めば、2年間で約2兆ドルものドル資金が市場から消滅し、市場はドル不足に陥る可能性が高い。とりわけ日本円は最弱通貨となっており、過去にないペースで円安が進んでいる。このままでは、日本でも深刻なドル不足が発生する可能性がある。
では、円安の進展によってドル不足になるというのは、どのようなメカニズムなのだろうか。日本は原材料を輸入し、それを加工して輸出するという典型的な加工貿易の国である。近年は輸出競争力の低下によって、高付加価値な工業製品についても輸入に頼るようになっており、食料やエネルギーのみならずスマートフォンやパソコン、家電も多くが外国製である。
かつての日本は輸出で十分なドルを獲得
日本は基軸通貨国ではなく、原材料や製品を輸入するには、大量の外貨(ドル)を用意しなければならない。かつての日本であれば、工業製品の輸出で獲得したドルを、そのまま輸入に充当すれば十分に事足りた。また、全世界的にドルが流通していたので、邦銀は米銀から安い金利でドルを調達することが可能だった。
だが状況は大きく変わりつつある。今の日本はかつてほど輸出を行っておらず、貿易だけでは十分な外貨を獲得できない。アメリカの利上げで大量のドル資金がアメリカに戻り、世界的にドル不足が深刻化。米銀は以前のようにはドル融資に応じなくなった。
小泉氏も高市氏も「大差なし」なのは、なぜ? 異例の総裁選に表れた「自民党の限界」 2025.10.02
「史上最高値」の株高を、日本は喜んでいいのか? 従来の価値観では全体像を見誤るリスクが 2025.08.29
-
生成AI商材/大手外資系「インサイドセールス「SV候補」」/その他コンサルティング系
ブリッジインターナショナル株式会社
- 東京都
- 年収340万円~450万円
- 正社員
-
プロダクトエンジニア「ポテンシャル採用/大手や外資系など3000社に導入/HR SaaS「ミキワメ」/港区/web系SE・PG/東京都
株式会社リーディングマーク
- 東京都
- 年収400万円~550万円
- 正社員
-
外資金融機関での施設警備年収472万可能/簡単な作業/夜勤あり/賞与支給/警備経験
株式会社G4S Secure Solutions Japan
- 東京都
- 年収442万4,000円~472万円
- 正社員
-
外資金融機関での施設警備年収472万可能/丁寧な研修あり/夜勤あり/賞与支給/高収入/経験OK
株式会社G4S Secure Solutions Japan
- 東京都
- 年収442万4,000円~472万円
- 正社員