コラム

東証「改革」は早くも骨抜きに...最大の問題は「市場関係者」の危機感のなさだ

2022年03月30日(水)20時08分

金融庁や東証は危機感を募らせており本格的な市場改革を検討してきた。東証1部、東証2部、ジャスダック、マザーズという4区分を改め、プライム市場、スタンダード市場、グロース市場の3つに再編。プライム市場の上場基準を厳しくすることで、国際的に通用する企業の育成を図ると同時に、TOPIXの採用基準を変更し、企業の業績拡大を促す。

だが現実には、1部上場企業の8割以上がプライム市場に横滑りする可能性が高く、TOPIX構成銘柄もほとんど変化がない見通しだ。典型的な総論賛成、各論反対というパターンだが、日本が置かれた状況はこれまでとは違う。日本の株式市場は既にアジアのローカル市場となりつつあり、改革が徹底できなければ、二度と主要市場に戻れない可能性が高い。

最大の問題は、最もリスクに敏感であるはずの市場関係者に危機感が薄いことである。現状維持を強く望む事業会社の意向をただ受け入れているだけでは、市場を運営する意味はない。

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プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネスなどの分野で執筆活動を行うほか、テレビやラジオで解説者やコメンテーターを務める。『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)、『スタグフレーション』(祥伝社新書)、『本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来』 (幻冬舎新書)など著書多数。

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