コラム

お国柄が表れる各国の新型コロナ経済対策 日本の特徴とは?

2020年04月28日(火)10時45分

中央政府の権限が強く、グランゼコールと呼ばれるエリート養成学校を卒業した官僚が実務を取り仕切る。ミッテラン政権時代に企業の国有化を積極的に進めた経緯もあり、主要企業の多くが政府の管理下にある。アメリカほど自由な経済活動は推奨されず、労働者は手厚く保護され、労働組合も労働者と政府をつなぐ窓口という位置付けだ。

GDPに占める政府支出の割合は主要国で最も高く、既存の社会保障制度の枠内で処理できる部分が大きい。このため、今回のコロナ危機でフランス政府が新規に提示した経済対策は450億ユーロ(約5兆円)にすぎない。

欧州とアメリカの中間に位置するのがイギリス。アメリカと同様、自助努力を求めるが、かつては福祉国家だった時代もあり(「ゆりかごから墓場まで」)、今も全国民がほぼ無料で病院を受診できる国民保健サービス(NHS)が機能している。主な支援策は就業者への休業補償で、今のところ780億ポンド(10 兆円)程度が見込まれている。

では日本はどうかというと、社会保障が手薄で自己責任論が強いという点では米国型だが、支援の額は極めて少ない。主要国の中では最も過酷な部類に入るだろう。

<本誌2020年5月5、12日号掲載>

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2020年5月5日/12日号(4月28日発売)は「ポストコロナを生き抜く 日本への提言」特集。パックン、ロバート キャンベル、アレックス・カー、リチャード・クー、フローラン・ダバディら14人の外国人識者が示す、コロナ禍で見えてきた日本の長所と短所、進むべき道。

プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネスなどの分野で執筆活動を行うほか、テレビやラジオで解説者やコメンテーターを務める。『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)、『スタグフレーション』(祥伝社新書)、『本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来』 (幻冬舎新書)など著書多数。

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