コラム

小泉氏も高市氏も「大差なし」なのは、なぜ? 異例の総裁選に表れた「自民党の限界」

2025年10月02日(木)17時16分
異例の展開となっている自民党総裁選

EUGENE HOSHIKO-POOLーREUTERS

<自民党総裁選に向けた各候補の公約を見ると、どの候補も独自色をほとんど出さないという異例の展開となっており、ここに自民党が陥った窮状を見ることができる>

自民党の総裁選が9月22日に告示となった。10月4日に行われる投開票で新しい総裁が決まる。

今回の総裁選は自民党にとって危機的状況の中で行われていることもあり、どの候補も独自色をほとんど出さないという異例の展開となっている。逆に言えば、多くのイデオロギーを混在させ、党内で実質的な政権交代を実現することで権力を維持するという自民党のやり方が機能しなくなった現実を如実に示している。

多くの人を驚かせたのは、高市早苗前経済安保担当大臣と小泉進次郎農水大臣の政策だろう。


高市氏は安倍晋三元首相の後継者あるいは保守派を自認し、消費減税を強く訴え、日銀の金融正常化を批判してきた人物である。その高市氏が総裁選の公約として掲げたのは、リベラル色が極めて強く、かねてから立憲民主党が導入を求めてきた給付付き税額控除だった。

そもそも石破政権が倒れるきっかけの1つとなったのは、給付か減税かの議論となった物価高対策である。石破政権は低所得者支援が重要であるとして給付にこだわり、これが一部の野党から猛反発を受けた。減税に言及しない石破茂氏に対しては党内からも批判の声が上がり、結果として石破氏の退陣につながったといえる。

プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネスなどの分野で執筆活動を行うほか、テレビやラジオで解説者やコメンテーターを務める。『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)、『スタグフレーション』(祥伝社新書)、『本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来』 (幻冬舎新書)など著書多数。

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