コラム

小泉氏も高市氏も「大差なし」なのは、なぜ? 異例の総裁選に表れた「自民党の限界」

2025年10月02日(木)17時16分

高市氏も小泉氏も石破政権に近い政策に

ところが、反石破の急先鋒と思われていた高市氏は、総裁選に出馬するや否や、低所得層には給付を実施するという立憲民主党に近い政策を採用すると表明し、多くの人を困惑させた。

高市氏は持論の消費減税についても「時間がかかる」として当面の実施については封印。結果的には、自身が強く批判していた石破政権と近いスタンスになってしまった。


一方、高市氏と並んで有力候補とされる小泉氏の政策も多くの国民を驚かせている。小泉氏は父親である小泉純一郎元首相の影響もあり、これまで一貫して改革を主張してきた。小泉氏を支持する国民が多いのは、改革の実施を期待しているからにほかならない。

ところが小泉氏の公約は、2030年までに平均賃金を100万円増やす、防災庁を設置するなど、基本的に石破政権の政策を踏襲するものばかりで「改革」の二文字はほとんど見当たらない。

ちなみに最新の消費者物価指数上昇率は2.7%となっており、平均年収を400万円とすると、物価に合わせて賃金が上がった場合、何もしなくても2030年には約470万円になる。小泉氏の公約では、物価を上回る賃金上昇分はわずか30万円にすぎず、これでは賃上げが実現したとは言わない。

プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネス、ITなどの分野で執筆活動を行う。億単位の資産を運用する個人投資家でもある。
『お金持ちの教科書』 『大金持ちの教科書』(いずれもCCCメディアハウス)、『感じる経済学』(SBクリエイティブ)など著書多数。

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