コラム

トランプがいようといまいと、アメリカは「持てる者たち」のための国

2025年12月20日(土)15時00分

というわけで、アメリカは崩壊しない。では国外の軍事覇権、ドル覇権はどうか。いま起きていることは、1971年のニクソン・ショックに酷似している。アメリカは国外の米軍の数を大幅に削減したが、ソ連が欧州に侵攻することはなかった。ニクソンはドルを金に固定相場で交換する義務を廃止し、ドルは大きく減価したが、国外に漏出していたドルは「ユーロダラー」として決済・投資に用いられたから、基軸通貨の地位を失うことはなかった。08年のリーマン危機の時は、ユーロダラーの供給が瞬時に止まり、世界中の中銀はFRBにドルのスワップでの供給を求めて門前列を成し、FRB=世界の中銀の様相を呈した。

結局のところ、世界がひっくり返ることは、当面ないだろう。正月は中国のおかげで観光客が激減するであろう京都にでも行き、ゆっくり楽しむことにしよう。


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プロフィール

河東哲夫

(かわとう・あきお)外交アナリスト。
外交官としてロシア公使、ウズベキスタン大使などを歴任。メールマガジン『文明の万華鏡』を主宰。著書に『米・中・ロシア 虚像に怯えるな』(草思社)など。最新刊は『日本がウクライナになる日』(CCCメディアハウス)  <筆者の過去記事一覧はこちら

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