ウクライナ戦争は終わらない──ロシアを動かす「100年の恨み」の正体
これ以来、米英・ソ連の間では仁義なき果たし合いが続く。ソ連が社会主義経済を扱いかねて崩壊すると、小さくなったロシアはボリス・エリツィン大統領の下、民主化・市場経済化を唱えて10年ほど西側に擦り寄った。
だが、ロシアの命綱である石油は底値を続け、企業を民営化したところで資金も経営者もいない。増発を重ねた国債は98年にはデフォルトを起こす始末だ。
ロシア国民は西側を逆恨みし、スパイ出身のプーチンの出番となった。彼は運よく上昇を始めた石油価格のおかげで軍を再建し、ロシアを侮辱した西側に対して牙をむく。
14年、プーチンはクリミア半島と東ウクライナの一部を武力制圧した。これはほぼ無血。だから21年に緊張が再燃すると、電撃的な攻撃でウクライナ政権を倒そうと試みた。
だがウクライナ軍は、欧米から情報・兵器支援を受けていたから、ロシア軍は当初大敗する。その後ロシア軍はウクライナ南東部で盛り返すも、大量の戦車や大砲を失った。
兵役年齢の若年層の国外流出で、ロシア軍は今、貧困者や囚人に兵力を依存する。
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