「親米か反米か」をめぐるイデオロギー対立は終焉を迎えた
対して岸田首相は、宏池会系派閥を糾合し、旧竹下派も引き込み公明党との連立を続けようとするのではないか。そんなことなら、いっそ自民党を2つに割ってタカ派と穏健派の二大政党に組み換えればいいと思うのだが、そうはならない。現職議員にとってみれば、強力な対抗馬が自分の選挙区に出ることを意味するからだ。だから与党側でのガラガラポンはないだろうが、野党が再編成する可能性は高い。
しかし、それより保革のイデオロギー対立に代わる新しい対立機軸を確立するほうが重要だ。野党の基礎は社会の弱者を助けることであり続けてほしいが、バラマキではなく「明日を開く生活保障」を打ち出すことだ。
例えば北欧諸国では、企業が社員をわりと簡単に解雇できる。その代わり、政府や地方自治体が2年間前後、失業保険を給付し、新しいスキルを磨く研修をする。これにより、社会の活力を失うことなく生活保障もできるのだ。
日本社会では今、かつてのマルクス主義系過激派がひそかに息を吹き返している。社会に明るい活力を取り戻しておかないと、過激派テロが戻ってくるだろう。
アマゾンに飛びます
2025年12月2日号(11月26日発売)は「ガザの叫びを聞け」特集。「天井なき監獄」を生きる若者たちがつづった10年の記録[PLUS]強硬中国のトリセツ
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
高市新総裁をいきなり襲う国内外の暴風雨 2025.10.18
軍事パレードの陰で進む金融危機──中国が直面する二つの試練 2025.09.10
トランプが復活させたアメリカの「ルーズベルト流」帝国主義 2025.08.30
チャットGPTに日本のポピュリズムについて聞いてみた! 2025.07.26
バンス米副大統領が信奉する新思想、「ポストリベラリズム」の正体 2025.07.11
トランプ肝いりの「ステーブルコイン」でドル急落? 2025.07.01
人口減少の日本が取り入れたい、デンマーク式「財団企業」の賢い経営 2025.06.14






