コラム

「親米か反米か」をめぐるイデオロギー対立は終焉を迎えた

2021年11月17日(水)14時08分

対して岸田首相は、宏池会系派閥を糾合し、旧竹下派も引き込み公明党との連立を続けようとするのではないか。そんなことなら、いっそ自民党を2つに割ってタカ派と穏健派の二大政党に組み換えればいいと思うのだが、そうはならない。現職議員にとってみれば、強力な対抗馬が自分の選挙区に出ることを意味するからだ。だから与党側でのガラガラポンはないだろうが、野党が再編成する可能性は高い。

しかし、それより保革のイデオロギー対立に代わる新しい対立機軸を確立するほうが重要だ。野党の基礎は社会の弱者を助けることであり続けてほしいが、バラマキではなく「明日を開く生活保障」を打ち出すことだ。

例えば北欧諸国では、企業が社員をわりと簡単に解雇できる。その代わり、政府や地方自治体が2年間前後、失業保険を給付し、新しいスキルを磨く研修をする。これにより、社会の活力を失うことなく生活保障もできるのだ。

日本社会では今、かつてのマルクス主義系過激派がひそかに息を吹き返している。社会に明るい活力を取り戻しておかないと、過激派テロが戻ってくるだろう。

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プロフィール

河東哲夫

(かわとう・あきお)外交アナリスト。
外交官としてロシア公使、ウズベキスタン大使などを歴任。メールマガジン『文明の万華鏡』を主宰。著書に『米・中・ロシア 虚像に怯えるな』(草思社)など。最新刊は『日本がウクライナになる日』(CCCメディアハウス)  <筆者の過去記事一覧はこちら

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