戦後アメリカが日本に強いた精神的自殺──日米同盟破棄で魂は復活するのか
国家主義対デモクラシー
日本が戦後体制を卒業するのはいいが、戦前の国家主義体制に戻るのか、江戸時代の鎖国に戻るのか。思想的なバックボーンをどこに置くのかという問題が手付かずで残っている。
日米同盟は今すぐ壊れるということにはなるまい。米国防総省が強く抵抗するだろう。日本でも、同盟体制の終焉や根本的改変を前提に議論を始めると、各政治勢力が勝手な主張を始めて収拾がつかなくなる。戦前の国家主義を懐かしむ人たちは、ここぞとばかり日米同盟終了を主張する。それに対して、これまで反米的だった社会主義系諸野党は、「国家主義者による専制的支配から身を守れ」と、皮肉にも日米安保堅持を主張し始めるかもしれない。
そんな政争を離れ、これからの日本のための基本的思想、価値観の軸をしっかり定めておく必要がある。それは、産業革命による生産力向上を背景に唱えられた「最大多数の最大幸福」、つまり格差の小さい豊かな社会と、人間としての尊厳・自由の確保だ。日本史にモデルを求めれば大正デモクラシーが近いが、過去に範を求める必要はない。
戦後の日本社会が達成した、格差の小さな豊かで自由な社会は、十分今後の規範として使えるものだろう。
<本誌2018年8月28日号掲載>
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