【銘柄】東京電力にNTT、JT...物価高とイラン情勢に揺れる株式市場ではディフェンシブ株に資金が集まる
ディフェンシブ株の中でも「公益株」に注目 AdobeStock
<物価高によるスタグフレーションの懸念が高まり、株式市場も不安定な状況が続いている。そんな場面で資金を集めるのは、実物資産を有する「公益株」とキャッシュリッチな「高配当株」だ>
アメリカの金融市場では、「スタグフレーション」という言葉が現実味を帯びて語られるようになっています。その背景にあるのが、トランプ政権による関税政策と、イラン情勢の緊迫化という2つの大きなリスク要因です。
トランプ大統領が打ち出した世界各国からの輸入品に対する一律関税や追加関税の措置は、輸入コストの上昇を通じてインフレ圧力を高める要因となります。企業はコスト増加分を製品価格に転嫁せざるを得ず、結果として消費者物価の上昇につながります。
さらに、アメリカとイスラエルによるイラン攻撃という新たな地政学リスクによって原油価格が高騰しており、世界的なエネルギー供給不安から物価高に一層の拍車がかかっています。
こうしたコスト上昇が長引けば、企業の設備投資意欲が失われ、個人消費も冷え込んでいきます。その結果として景気が減速した場合、アメリカのみならず輸出依存度の高い日本経済にも大きな暗い影を落とすことになります。
スタグフレーションとは? なぜ厄介なのか
スタグフレーションとは、景気停滞を意味する「スタグネーション(Stagnation)」と物価上昇を示す「インフレーション(Inflation)」を掛け合わせた合成語です。
インフレには大きく2種類あります。ひとつは、景気が良くなり需要が供給を上回ることで起きる「良いインフレ(デマンド・プル・インフレ)」、もうひとつは、原材料費などのコスト上昇によってやむを得ず物価が上がる「悪いインフレ(コスト・プッシュ・インフレ)」です。
スタグフレーションは後者が引き金となって起こります。通常、不況時には需要が落ち込むため物価は下落(デフレ)に向かいますが、原材料価格の高騰などが原因で、不況にもかかわらず物価が上がり続けるのです。
これが生活者にとって極めて厄介なのは、企業の業績悪化によって給料は上がらないのに、食料品やガソリン、日用品などの生活必需品が軒並み値上がりし、家計が「ダブルパンチ」を受けるためです。過去には1970年代のオイルショック時にも日本はこの現象に見舞われ、社会的な大混乱と戦後初のマイナス成長を記録しました。
また、通常の景気後退局面であれば、中央銀行は利下げなどの金融緩和を行って景気を刺激します。しかしスタグフレーション下ではインフレを抑制しなければならないため金融緩和に踏み切れず、政策的な板挟み状態に陥ってしまいます。政府・中央銀行が有効な手を打ちにくいという点が、スタグフレーションを特に深刻な経済現象にしているのです。
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