【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
注目すべきは、「この戦略が本当に実行できるかどうか」の一点に尽きます。その鍵となるのは、「ブランドの選択と集中」「中国依存からの脱却」、そして「コスト改革と攻めの再投資の両立」です。
■ブランドの選択と集中
ブランド整理が曖昧なままでは改革は進みません。そこで、成長ブランドを「コア3」と「ネクスト5」の計8ブランドに絞り、広告・研究開発費・人員配置などの投資資源を集中する計画です。これが成功すれば、利益率の改善は加速します。
■中国依存からの脱却
中国比率を段階的に引き下げ、欧州・米州・東南アジアなどに収益源を分散できるか? 多極型の成長モデルが確立すれば、外部環境の変化に強い体質に変わるでしょう。
■コスト改革と攻めの再投資の両立
2026年に営業利益7%、2030年には10%以上という目標が掲げられています。その達成には、固定費削減だけではなく、研究開発やデジタル、EC、新商品開発などへの積極投資が欠かせません。
株式市場において資生堂の株価が本格的に再評価されるのは、この3つの条件が数字として表れたときになるでしょう。特に、2026年に営業利益7%を達成できるかどうかは、経営陣の実行力を測る試金石となり、市場の評価を左右する決定的なポイントとなりそうです。
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[筆者]
岡田禎子(おかだ・さちこ)/個人投資家、ファイナンシャル・プランナー
証券会社、資産運用会社を経て、ファイナンシャル・プランナーとして独立。資産運用の観点から「投資は面白い」をモットーに、投資の素晴らしさ、楽しさを一人でも多くの人に伝えられるよう活動中。個人投資家としては20年以上の経験があり、特に個別株投資については特別な思い入れがある。さまざまなメディアに執筆するほか、セミナー講師も務める。日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、ファイナンシャル・プランナー(CFP)。
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