韓国の高麗亜鉛、米で74億ドルの製錬所建設へ トランプ氏が支援
世界最大の亜鉛製錬会社である韓国の高麗亜鉛は15日、米テネシー州に74億ドル規模の重要鉱物精錬所を建設すると発表した。米政府が主に資金を提供し、重要鉱物の中国への依存軽減を目指す。写真は同社のロゴ。ソウルで昨年10月撮影(2025年 ロイター/Kim Hong-Ji)
Hyunjoo Jin Heejin Kim Ernest Scheyder
[ソウル 15日 ロイター] - 世界最大の亜鉛製錬会社である韓国の高麗亜鉛は15日、米テネシー州に74億ドル規模の重要鉱物精錬所を建設すると発表した。米政府が主に資金を提供し、重要鉱物の中国への依存軽減を目指す。
高麗亜鉛は、テネシー州クラークスビルにある既存の亜鉛精製工場を資源商社トラフィグラ傘下のニルスターから取得し、解体した上で、より大規模な施設に建て替える。新施設は2029年に開業し、重要鉱物の年間生産量は54万トン(亜鉛30万トン、銅3万5000トン、鉛20万トン、レアアース5100トン)になる見通しという。
ホワイトハウスのデサイ報道官はロイターへの声明で投資について確認し、「トランプ政権は重要鉱物の海外依存を解消し、労働者階級の繁栄を取り戻すために、あらゆる手段を引き続き活用していく」と述べた。
高麗亜鉛はこの計画で、19億ドル相当の株式を発行し、米政府と米国の戦略的投資家が経営権を握る合弁会社に売却。合弁会社は高麗亜鉛の株式約10%を保有することになる。
この合弁会社の株式は米国防総省が40%、高麗亜鉛が10%未満を保有することになる。
高麗亜鉛は残りの55億ドルについては、米政府と金融機関からの47億ドルの融資と、米半導体産業振興を目的とする「CHIPS・科学法(CHIPS法)」に基づく米商務省からの2億1000万ドルの補助金などで賄う。
高麗亜鉛の会長の解任を求めている同社の主要株主は、米国の投資計画が経営陣の会社に対する支配力を強固にするとして非難した。





