海上封鎖下ベネズエラからタンカー10数隻が年明けに出港、行き先は不明
写真は2025年12月29日、ベネズエラのプエルトカベヨで海水浴を楽しむ人々と、遠方に見えるタンカー。REUTERS/Juan Carlos Hernandez
[5日 ロイター] - ベネズエラ産の原油や燃料を積載した10数隻のタンカーが今年初めに、米国による海上封鎖が続いているとみられる中でも、ベネズエラを出港してどこかに向かった。ロイターが確認した関係書類や、タンカートラッカーズ・ドット・コムを含めた業界筋への取材で明らかになった。
トランプ米大統領は2025年12月半ばに、制裁対象のタンカーがベネズエラに出入りするのを阻止する海上封鎖を実施。今年初めにマドゥロ大統領を拘束する軍事作戦を遂行した後も、こうした禁輸措置は依然として全面的に有効だと強調している。
ただ船舶追跡データによると、出港した船舶は全て制裁対象でその大半は現在、船籍登録国や船舶安全証書が不明なまま公海を航行中だ。これらの半数は通常ベネズエラ産原油を中国に運ぶ大型タンカーであることが、タンカートラッカーズやベネズエラ国営石油会社PDVSAの書類で判明した。
米国がこうした船舶の出航を承認もしくは許容したかどうかは分かっていない。
米政府高官の1人は5日ロイターに、船舶の「隔離」は制裁対象のタンカーに焦点を当てて実行していると述べたが、出港した船舶に関する具体的な言及はなかった。
PDVSAとの取引内容やタンカートラッカーズが分析した衛星画像に基づくと、出港した船舶が積んでいるベネズエラ産原油と燃料は推定で1200万バレルに上る。
船舶の行き先は不明。25年12月の積み込み分は主にアジア向けだった。それ以来、これらの船舶は米国の封鎖措置で、ベネズエラの海域に足止めされていた。
ところがタンカートラッカーズの分析では、今年1月3日に少なくとも4隻のタンカーがベネズエラの領海線付近で短時間停泊した後、マルガリータ島の北を通る航路で外洋に出た。
出港書類に詳しい3人の関係者の話によると、少なくとも4隻の大型タンカーはベネズエラ当局から「ダークモード」で出港する許可を得ていた。これは衛星追跡装置をオフにしたまま航行することを意味しており、ベネズエラやイラン、ロシアから制裁対象の原油を世界中に運ぶタンカーがよく使う手段だ。
PDVSAの関係者は「さまざまなリスクにもかかわらず出荷が承認された。しかしこの航路を今後も使い続けることはできないと思う」と語った。
一方船舶追跡データや関係者への取材で、米石油大手シェブロンが新年休暇明けに従業員をベネズエラへ呼び戻し、5日にベネズエラ産原油の米国向け輸出を再開したことが分かった。
シェブロンは、米政府からベネズエラ産原油の輸出を認められている唯一の企業で、禁輸措置と制裁双方の対象から除外されている。
同社が契約したタンカーは現在、約30万バレルの原油を米国へ運んでいるところだ。
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