ベネズエラ巡り安保理緊急会合、中ロが国際法違反と非難 米は反論
グテレス国連事務総長は、ベネズエラ情勢を巡り、国際法の規則が尊重されなかった点を懸念していると述べた。写真は昨年9月、ニューヨークで撮影(2026年 ロイター/Mike Segar/File Photo)
Michelle Nichols
[国連 5日 ロイター] - 国連のグテレス事務総長は5日、米国がベネズエラに対し実施した軍事作戦でマドゥロ大統領を拘束したことを受け開かれた安全保障理事会の緊急会合で、国際法の規則が尊重されなかったと懸念を示した。ベネズエラのほか、中ロなども米国の軍事作戦は法的根拠を欠くと非難。これに対し米国は、ベネズエラに対して戦争は行っていないと反論した。
グテレス事務総長はディカーロ国連事務次長が代読した声明で「ベネズエラの不安定化が深まる恐れのほか、地域への潜在的な影響、国家間関係のあり方に対し残す前例について深く懸念している」とし、「ベネズエラ国民が平和的に前進する道を見いだすためのあらゆる取り組みを支援する用意がある」と述べた。
ベネズエラのモンカダ国連大使は、米国がマドゥロ大統領を拘束するために実施した作戦は「法的根拠を欠く不当な武力攻撃」と非難。ベネズエラの現状について、各機関は通常通り機能しているほか、憲法の秩序は維持されており、政府は領土全域を実効的に統治していると述べた。
米国のウォルツ国連大使は、マドゥロ氏とその妻は「米国の司法当局に起訴された2人の逃亡者」とし、米国はこの2人を対象に「米軍が支援する法執行作戦」を実施したと説明。「ルビオ国務長官が述べたように、米国はベネズエラやその国民に対して戦争を行っているわけではない。ベネズエラを占領しているわけでもない」と述べた。
その上で「西半球が米国の敵対勢力の作戦拠点として利用されることを容認しない」とし、「世界最大のエネルギー埋蔵量を持つ国が、米国に敵対する勢力や、正統性を欠く指導者の支配下に置かれ、ベネズエラ国民の利益にならない状況を看過することはできないいつまでも続けるわけにはいかない」と述べた。
ロシアと中国のほか、安保理緊急会合の開催を要請したコロンビアは、米国が実施した軍事作戦は国際法に反すると非難。一方、その他の多くの国は米国を直接的に非難することは避け、国際法および国連憲章を順守することの重要性を強調するにとどめた。
ロシアのネベンジャ国連大使は「他の状況では口角泡を飛ばして国連憲章を尊重するよう要求する人たちが原則的な評価を避けようとしているのは偽善的で見苦しい」と述べた。
ロシアは2022年のウクライナ侵攻で国連から非難されている。
中国の孫磊国連次席大使は、03年の米主導のイラク侵攻や最近のイラン核施設攻撃を引き合いに「歴史の教訓は厳しい警告を発している」と指摘。「軍事的手段は問題の解決策ではなく、無差別な武力行使はより大きな危機を招くだけだ」と語った。





