宇宙データセンター、20年以内に実現=アマゾン創業者ベゾス氏

米アマゾン・ドット・コム創業者ジェフ・ベゾス氏は10月3日、今後10─20年以内に宇宙にギガワット規模のデータセンターが建設され、継続的に利用可能な太陽エネルギーにより、最終的には地上施設を上回る性能を発揮するとの見方を表明した。写真はフロリダ州ルのケープカナベラル宇宙軍基地で、初めて打ち上げられたルーオリジンのロケット。1月16日撮影(2025年 ロイター/Steve Nesius)
Elvira Pollina Giulio Piovaccari
[トリノ 3日 ロイター] - 米アマゾン・ドット・コム創業者ジェフ・ベゾス氏は3日、今後10─20年以内に宇宙にギガワット規模のデータセンターが建設され、継続的に利用可能な太陽エネルギーにより、最終的には地上施設を上回る性能を発揮するとの見方を表明した。イタリア・トリノで開催された技術系会議での発言。
ベゾス氏は人工知能(AI)の急成長を2000年代初頭のインターネットブームに例えて、投機的なバブルの恐れはあるものの楽観的な見方を促した。
軌道上のデータセンター構想は地上の施設がサーバー冷却用の電力・水需要を押し上げていることで、ハイテク大手各社の注目を集めている。
ベゾス氏はイタリア高級スポーツカーメーカー、フェラーリと欧米自動車大手ステランティスのジョン・エルカン会長との公開会談で「宇宙では24時間365日太陽光発電が利用でき、雲も雨も天候も関係ないため、こうした巨大施設は宇宙での建設が適している。宇宙のデータセンターは今後数十年で地上施設のコストを下回るだろう」と語った。
その上で宇宙インフラへの移行は、既に気象衛星や通信衛星で実現していると指摘。次の段階でデータセンター、そしてそのほかの製造業が続くとの考えを示した。
一方で、宇宙でのデータセンター運用には、保守やアップグレード実行の難しさ、ロケット打ち上げの費用、打ち上げ失敗のリスクなど固有の問題がある。
ただベゾス氏は「25年前のインターネットのように、AIが社会にもたらす有益な影響は現実であり、今後も継続すると大いに楽観視すべきだ」と強調した。