サウジ、支出増と原油価格下落で財政リスク上昇=フィッチ

格付け会社フィッチ・レーティングスは3日、サウジアラビアの財政再建への道筋はリスクに直面していると指摘した。リヤドで5月撮影(2025年 ロイター/Hamad I Mohammed)
Jana Choukeir
[ドバイ 3日 ロイター] - 格付け会社フィッチ・レーティングスは3日、サウジアラビアの財政再建への道筋はリスクに直面していると指摘した。原油価格の下落と、同国の経済改革計画「ビジョン2030」に伴う多額の支出が財政を圧迫しているためだ。
政府系ファンド「パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)」が主導するビジョン2030は、石油への依存度を下げ、より持続可能な歳入源を開拓することを目的としており、そのためには数千億ドルの投資が必要となる。
サウジは2025年の財政赤字を国内総生産(GDP)の5.3%(当初予測の2.3%からほぼ倍増)と見込んでおり、26年には3.3%に低下するとしている。
フィッチによると、25年の財政悪化は歳入不足と歳出過多によるもので、歳入不足の主な原因は石油収入の減少にある。しかし、好調な非石油経済と保守的な予算を背景に、非石油収入は引き続き堅調である可能性が高い。
サウジ政府は、26年の歳入が5.1%増加する一方、歳出は25年見込みに対して1.7%減少すると予測。フィッチは、安定した石油収入、非石油収入の増加、経常・設備投資の小幅な削減による財政の引き締めを見込んでいる。
フィッチは、サウジが代替歳入源を構築する取り組みを加速しているにもかかわらず、財政逼迫が原油市場の変動に対する脆弱性を浮き彫りにしていると指摘した。