学問の自由が政治的干渉で脅かされている=ノーベル賞組織幹部

10月3日、 ノーベル化学・物理学・経済学賞を授与するスウェーデン王立科学アカデミーのエングストロム副会長はノーベル賞発表を控えて、米国などで学問の自由が政治的干渉により脅かされていると述べた。写真は経済学賞が発表されるスウェーデン王立科学アカデミーの外観。2024年10月、ストックホルムで撮影(2025年 ロイター/Tom Little)
Johan Ahlander
[ストックホルム 3日 ロイター] - ノーベル化学・物理学・経済学賞を授与するスウェーデン王立科学アカデミーのイルヴァ・エングストロム副会長はノーベル賞発表を控えて、ロイターの取材に対して、米国などで学問の自由が政治的干渉により脅かされており、長期的に深刻な悪影響を及ぼす恐れがあると警告した。
第2次トランプ米政権は教育と科学研究を妨げると批評家が指摘するような数々の政策を導入または提案している。政策によって無駄を削減し、米国の技術革新を促進するためだとする。
エングストロム氏は「学問の自由は民主主義制度の柱の1つだ」とし、トランプ政権の政策変更が無謀だと述べた。エングストロム氏自身はノーベル化学・物理学・経済学賞の授与を決定する3つの委員会に所属していない。
ノーベル賞は世界で最も権威のある科学賞とされ、6日の生理学・医学賞から発表が始まり、1週間後の経済学賞で締めくくられる。
トランプ氏はこれまで何度も自らがノーベル平和賞を受賞するべきだと語っているが、専門家はそうした可能性が極めて低いとみている。