イラン議会が通貨切り下げ承認、高インフレで 数年の移行期間

10月5日、 深刻なインフレで通貨リアルの下落が続いているイランの議会は、今後数年間かけて4桁のデノミ(通貨切り下げ)を実施することを賛成多数で承認した。写真はイランのリアル紙幣と米ドル紙幣。2月撮影(2025年 ロイター/Majid Asgaripour/WANA)
[ドバイ 5日 ロイター] - 深刻なインフレで通貨リアルの下落が続いているイランの議会は、今後数年間かけて4桁のデノミ(通貨切り下げ)を実施することを賛成多数で承認した。国営メディアが5日、報じた。金融取引の簡素化を目指す。
イランでは35%以上のインフレが数年間続いており、外貨取引ウェブサイト「ボンバスト・ドット・コム」によると、市中で取引される実質レートは1ドル=11万5000リアルまで下落した。
議会経済委員会委員長は国営テレビに対し、「中央銀行には最大2年間の猶予が与えられ、その後3年間の移行期間に入る」と説明した。
ただ、通貨切り下げには慎重な意見も上がっている。イラン学生通信によると、ある国会議員は5日、「国の通貨の威信は切り下げではなく、通貨の実質価値を高めることによってのみ回復できる」と指摘した。
ベネズエラも過去数年で複数回にわたり通貨切り下げを実施したが、依然として高インフレに見舞われている。