独仏首脳、「暗黒啓蒙」の拡大に立ち向かう決意を呼びかけ

ドイツのメルツ首相(写真右)とフランスのマクロン大統領(左)は10月3日、ドイツ西部ザールブリュッケンで開かれた東西ドイツ統一35年を記念する式典で、権威主義は民主主義など啓蒙思想を否定する「暗黒啓蒙」だと断じた(2025年 ロイター/Heiko Becker)
Tilman Blasshofer Alessandro Parodi
[ザールブリュッケン(ドイツ) 3日 ロイター] - ドイツのメルツ首相とフランスのマクロン大統領は3日、ドイツ西部ザールブリュッケンで開かれた東西ドイツ統一35年を記念する式典で、権威主義は民主主義など啓蒙思想を否定する「暗黒啓蒙」だと断じ、こうした動きの拡大に立ち向かう決意を新たにするよう呼びかけた。
メルツ氏とマクロン氏は、世論調査で支持を伸ばしている非自由主義的で反移民的な政党に対抗するため、欧州は低迷する経済の立て直しなど取り組みを強化すべきだと訴えた。
メルツ氏は「先制主義国家がわれわれに対抗して新たな結び付きを形成しつつあり、自由な民主主義という生き方を攻撃している」と指摘。マクロン氏も「暗黒啓蒙の復活に直面する中に(中略)新たな啓蒙への道がある。それは文化、音楽、文学、対話と議論を愛し、尊重と科学は憎悪や憤怒よりも強いと信じる道だ」と強調した。
メルツ氏は、欧州連合(EU)全体の経済的苦境が、民主主義と相容れない急進的な解決策を提示する極右ナショナリスト政党に活路を与えていると警告。「何年にもわたる不規則で無秩序な移民の流入がわが国を分断してきた」と述べ、法の支配の下で民主主義社会に生きることの価値を認識するよう国民に求めた。