ニュース速報
ワールド

EU首脳「ドローンの壁」協議、ロシアの領空侵犯に対応

2025年10月02日(木)00時37分

欧州連合(EU)は1日、コペンハーゲンで首脳会議を開き、ロシアのドローン(無人機)による相次ぐ領空侵犯に対応するため、検知、追跡、迎撃機能を備えた「ドローンの壁」の構築について協議した。写真は左からマクロン仏大統領、デンマークのフレデリクセン首相、スペインのサンチェス首相。同日撮影(2025年 ロイター/Ritzau Scanpix/Mads Claus Rasmussen via REUTERS)

[コペンハーゲン 1日 ロイター] - 欧州連合(EU)は1日、コペンハーゲンで首脳会議を開き、ロシアのドローン(無人機)による相次ぐ領空侵犯に対応するため、検知、追跡、迎撃機能を備えた「ドローンの壁」の構築について協議した。EU欧州委員会のフォンデアライエン委員長は「ロシアはEUを試そうとしているだけでなく、社会に分裂と不安を植え付けようとしている。断じて許さない」と述べた。

欧州委は「ドローンの壁」の詳細案は策定していないが、北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は9月30日に構想は「時宜を得ており、必要だ」と評価した。

デンマークでは複数の空港が先週、ドローン飛来により一時閉鎖された。EUの複数の国が首脳会議の開催国であるデンマークの防衛支援のため、部隊や対無人機システムの派遣を発表。デンマークは上空のドローン飛行を3日まで全面禁止とし、フレデリクセン首相はロシアが関わっていることを示唆している。1日には記者団に「注視すべきパターンで、欧州へのハイブリッド戦争に対応する必要がある」と述べた。一方、ロシアは関与を否定している。

多くの首脳が、ポーランド上空での無人機やエストニア上空での戦闘機など欧州での領空侵犯を受け、ロシアを非難している。フィンランドのオルポ首相は「ロシアは今後も続けるだろう。われわれは警戒態勢を強化する必要がある」として「ドローンの壁」への支持を表明した。

首脳会議では、ロシアの凍結資産を活用したウクライナに大規模融資する提案に関しても初めて議論。首脳間では強い支持がある一方、慎重な姿勢もみられる。この動きに対し、ロシア側は「単なる窃盗行為だ」と反発している。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米9月ISM製造業景気指数、7カ月連続50割れ 新

ワールド

米最高裁、トランプ氏によるクックFRB理事の解任要

ワールド

米SEC、職員9割強一時帰休に 政府機関一部閉鎖で

ワールド

米国防総省、職員に秘密保持契約とポリグラフ検査を義
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
2025年10月 7日号(9/30発売)

投手復帰のシーズンもプレーオフに進出。二刀流の復活劇をアメリカはどう見たか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外な国だった!
  • 2
    「元は恐竜だったのにね...」行動が「完全に人間化」してしまったインコの動画にSNSは「爆笑の嵐」
  • 3
    なぜ腕には脂肪がつきやすい? 専門家が教える、引き締まった二の腕を手に入れる方法
  • 4
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 5
    ウクライナにドローンを送り込むのはロシアだけでは…
  • 6
    女性兵士、花魁、ふんどし男......中国映画「731」が…
  • 7
    【クイズ】身長272cm...人類史上、最も身長の高かっ…
  • 8
    アメリカの対中大豆輸出「ゼロ」の衝撃 ──トランプ一…
  • 9
    通勤費が高すぎて...「棺桶のような場所」で寝泊まり…
  • 10
    イスラエルのおぞましい野望「ガザ再編」は「1本の論…
  • 1
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び出した父親が見つけた「犯人の正体」にSNS爆笑
  • 2
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外な国だった!
  • 3
    ウクライナにドローンを送り込むのはロシアだけではない...領空侵犯した意外な国とその目的は?
  • 4
    こんな場面は子連れ客に気をつかうべき! 母親が「怒…
  • 5
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 6
    【クイズ】世界で1番「がん」になる人の割合が高い国…
  • 7
    高校アメフトの試合中に「あまりに悪質なプレー」...…
  • 8
    虫刺されに見える? 足首の「謎の灰色の傷」の中から…
  • 9
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市…
  • 10
    週にたった1回の「抹茶」で入院することに...米女性…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 7
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 8
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 9
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 10
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中