米、数カ月以内に東南アジア諸国と貿易協定締結へ=USTR代表

9月24日、グリア米通商代表部(USTR)代表は東南アジアの複数の国との貿易協定が数カ月以内にまとまるとの見通しを示した。写真は東南アジア諸国連合(ASEAN)経済閣僚会議と米通商代表部の協議の様子。クアラルンプールで24日撮影(2025年 ロイター/Hasnoor Hussain)
Danial Azhar Rozanna Latiff
[クアラルンプール 24日 ロイター] - グリア米通商代表部(USTR)代表は24日、東南アジアの複数の国との貿易協定が数カ月以内にまとまるとの見通しを示した。
クアラルンプールで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)経済閣僚会議の冒頭で発言した。
同地域の大半の国には19%から20%の関税が課されている。ラオスとミャンマーは40%、シンガポールは10%だ。
グリア代表は、各国との関税に関する協議は順調に進んでおり、「今後数カ月、一部の国とは数週間以内に」協定がまとまる見込みだと述べた。
24日の会合は、グリア代表にとって初めてのASEANとの会合だった。ASEAN諸国はこれまで、関税問題に関して米国と個別に交渉することが多かった。
ただ、タイ、マレーシア、ベトナムなどにとって重要な半導体をはじめとする産業への関税が引き上げられるリスクがあることから、ASEANがこれまでよりも結束する可能性もある。
トランプ米大統領は先月、半導体に約100%の関税を課す考えを示したが、米国で製造しているか、米国での製造を約束している企業には適用されないとした。
米国はインドネシアとベトナムと関税に関する合意に達したとしているが、両国はまだ最終的な条件を詰めている段階だと述べている。
<ASEAN、下半期の貿易減速を警告>
ASEANの経済閣僚は23日の共同声明で、関税を巡る状況から生じる「悪影響と不確実性」に言及。2025年上半期の関税導入を見越して輸出が前倒しされたため、下半期の地域貿易は減速すると警告した。
また、保護主義の高まりや一方的な貿易措置に対する懸念も表明し「多国間貿易システムとグローバルなサプライチェーンの安定性に重大なリスクをもたらす」と指摘した。
グリア代表は演説で、米国はASEANとの貿易を歓迎するが、「バランスが取れた相互的」な貿易であるべきだと主張。
「われわれの利益が一致する分野は多くあり、相互主義とバランスを世界の貿易システムにもたらすという共通の目標を達成するために協力できると信じている」と語った。