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米、国際刑事裁判所に週内制裁発動も 日常業務に影響

2025年09月23日(火)11時34分

 複数の関係者によると、米国はイスラエルの戦争犯罪容疑を巡る捜査に対する報復として、早ければ週内にも国際刑事裁判所(ICC)全体に対して制裁を科すことを検討しており、裁判所の日常業務が影響を受ける可能性がある。写真はICCの建物。オランダのハーグで22日撮影(2025年 ロイター/Piroschka van de Wouw)

Anthony Deutsch Humeyra Pamuk Stephanie van den Berg

[ハーグ/ワシントン 22日 ロイター] - 複数の関係者によると、米国はイスラエルの戦争犯罪容疑を巡る捜査に対する報復として、早ければ週内にも国際刑事裁判所(ICC)全体に対して制裁を科すことを検討しており、裁判所の日常業務が影響を受ける可能性がある。

米国はすでに、国際刑事裁判所の複数の検察官や裁判官に対して制裁を科しているが、国際刑事裁判所そのものを制裁リストに加えることは事態の大きなエスカレーションとなる。

この問題に詳しい6人の関係者は匿名を条件に、このような「エンティティー(団体)制裁」に関する決定が近く下されると述べた。

裁判所当局者はすでに緊急の内部会議を開き、包括的制裁の可能性による影響について協議したという。裁判所加盟国の外交官による会議も開かれたという。

米政府関係者は、裁判所全体に対する制裁措置を検討中であることを認めたが、措置実施の時期については詳しく述べなかった。

米国務省報道官は、ICCが米国とイスラエルの職員に対して「管轄権」を主張していると非難し、米国はさらなる措置を取るつもりだと述べた。ただ、具体的な内容には言及しなかった。

裁判所という組織に適用される制裁は、スタッフへの給与支払い能力から、銀行口座へのアクセス、コンピューター上の日常的な事務ソフトに至るまで、基本的な日常業務に影響を及ぼす可能性がある。

関係者によると、潜在的な影響を軽減するため、ICCの職員は今月、2025年中の給与を前払いで受け取った。

また、ICCの加盟国の一部は今週ニューヨークで開かれる国連総会で、米国の追加制裁に反対する意向という。

ロイター
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