インドネシア新財務相、政府資金の金融システム投入で融資拡大目指す
インドネシアのプルバヤ新財務相(写真)は10日に議会が開いた公聴会で、政府資金200兆ルピア(121億5000万ドル)を国内金融システムに投入し、融資拡大を促す方針を明らかにした。9月8日、ジャカルタで撮影(2025年 ロイター/Willy Kurniawan)
Stefanno Sulaiman
[ジャカルタ 10日 ロイター] - インドネシアのプルバヤ新財務相は10日に議会が開いた公聴会で、政府資金200兆ルピア(121億5000万ドル)を国内金融システムに投入し、融資拡大を促す方針を明らかにした。
8日に任命されたプルバヤ氏は、政府支出が低調なため中央銀行に設けられた政府口座の現金残高が430兆ルピアにまで増加していると説明。中銀はこれまで流動性を過度に引き締め続けてきたとの見方を示した。
プルバヤ氏は「私は(政府)資金を経済システムに注ぎ込むと大統領に報告した」と語り、中銀に対して金融調節を通じてこの資金を市場からまた吸収しないよう指示したと付け加えた。
公聴会終了後には「私はわが国の金融システム(の流動性)が干上がっている光景を目にしてきた。だから経済が減速し、過去1年にわたって国民が仕事を見つけ出すのが難しくなっている。これは金融・財政政策に間違いがあったからだ」と強調した。
ただDBSのエコノミスト、ラドヒカ・ラオ氏は、財政と金融当局による経済活性化手段が功を奏するには、家計と企業の借り入れ需要自体がしっかりすることが必須になるとくぎを刺した。
また三井住友銀行アジア・太平洋トレジャリー部のエコノミスト阿部良太氏は、各銀行が融資を強制された場合、不良債権比率の上昇につながりかねないと警告。「政府はインフラ支出などの公共投資によってより多くの需要を創出すべきで、それが自律的な経済の回復を後押しし、銀行の収益性への打撃を与える確率を上げないで済む」と述べた。





