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イスラエルはパレスチナ人を「大量殺害」、国連人権高等弁務官が非難

2025年09月09日(火)10時38分

 9月8日、国連のターク人権高等弁務官(写真)は、イスラエルがパレスチナ自治区ガザで民間人を「大量殺害」し、「十分な救命支援を妨害」していると非難した。同日、ジュネーブで撮影(2025年 ロイター/Denis Balibouse)

Olivia Le Poidevin Emma Farge

[ジュネーブ 8日 ロイター] - 国連のターク人権高等弁務官は8日、イスラエルがパレスチナ自治区ガザで民間人を「大量殺害」し、「十分な救命支援を妨害」していると非難した。その上で、同国には国際司法裁判所(ICJ)で答弁すべき問題があると述べた。

ジュネーブで開催された第60回人権理事会の冒頭演説で、多数の国連職員が強く求めていた「進行中のジェノサイド(大量虐殺)」という表現は避けたものの、イスラエル当局者らによる「ジェノサイド的言動の公然たる使用」とパレスチナ人に対する「恥ずべき非人間化」に強い憤りを表明。

「イスラエルによるガザでのパレスチナ民間人の大量虐殺、筆舌に尽くしがたい苦しみと大規模な破壊をもたらしていること、十分な救命支援の妨害とそれに伴う民間人の飢餓、ジャーナリストの殺害、また戦争犯罪を重ねている事態は、世界の良心に衝撃を与えている」と指摘した。

また、イスラエルにはジェノサイド行為を阻止する法的義務があるとした1月のICJ判断に言及し、「イスラエルはICJで答弁すべき事案を抱え、証拠は蓄積し続けている」と述べた。

イスラエルのジュネーブ国際機関政府代表部ダニエル・メロン大使は声明で「高等弁務官は、イスラエル人が平和で安全に暮らす権利や、パレスチナのイスラム組織ハマスが引き起こした民間人の苦しみを軽減するためイスラエルが講じた広範囲な措置に向き合うどころか、誹謗中傷の言辞を拡散し続けている」と反論した。

ロイター
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