米ホワイトハウス、WTOを資金削減リストから除外

米トランプ政権は先週、米連邦議会が承認した49億ドルの対外援助予算を撤回すると表明したが、その後、世界貿易機関(WTO)を削減対象から除外していたことが明らかになった。写真はジュネーブで21年3月撮影。(2025年 ロイター/Denis Balibouse/ File Photo)
Olivia Le Poidevin Andrea Shalal Emma Farge
[ジュネーブ/ワシントン 3日 ロイター] - 米トランプ政権は先週、米連邦議会が承認した49億ドルの対外援助予算を撤回すると表明したが、その後、世界貿易機関(WTO)を削減対象から除外していたことが明らかになった。
民主党議員からは予算は議会によって承認されているため、一方的な削減は違法だとの声が上がっている。貿易業界団体もWTOへの予算削減は中国の影響力を強めることにつながるとして反対している。
WTOのオコンジョイウェアラ事務局長は2日のロイターとのインタビューで、米通商代表部(USTR)などとこの問題の解決に取り組んでいると述べていた。
8月29日の発表では、トランプ大統領の「米国第一主義」の理念に反する国際プログラムへの貢献の例として、WTOへの2900万ドルの拠出が挙げられていた。しかし、WTOへの言及は3日までにホワイトハウスのウェブサイトから削除された。
ある貿易関係者は、WTOへの資金はもはや削減対象ではないと述べたが、それ以上の詳細については触れなかった。ホワイトハウス、USTR、WTOはコメントを控えた。
米政府高官は、混乱を避けるためホワイトハウスのウェブサイトからWTOへの言及を削除したと説明した。リストに挙げられていたのは過去に資金提供されたプログラムであり、新たに削減される項目ではないとしている。
別の情報筋は、WTOへの最初の言及は他の機関との事前協議なしに行われたもので、資金の行方は依然として不透明だと述べた。